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BIG RECORD

オリックス・平野佳寿が日米通算250セーブ 数字以上の大偉業

 

節目に到達の大記録は歩んできた道の偉大さを際立たせるばかり。10月2日の日本ハム戦(京セラドーム)で日米通算250セーブを達成したオリックス平野佳寿のキャリアを見れば並大抵の記録ではないことが分かる。

試合を締めて偉業を達成すると、不慣れなウォーターシャワーに笑顔がこぼれる[写真=佐藤真一]


 歓喜のウォーターシャワーが心地いい。「僕の大事なグラブをぬらしてきたので、ちょっと怒ってます」。冗談交じりに喜ぶのが、若手が台頭したブルペンをまとめてきた39歳のベテランらしいが、そんな先輩だからこそ偉業達成を祝福せずにはいられなかった。

 10月2日の日本ハム戦(京セラドーム)。3対0の9回に登板し、先頭に安打を浴びるも二ゴロ、空振り三振で二死に。最後は一邪飛に仕留めて日米通算250セーブに到達した。佐々木主浩(横浜ほか)、高津臣吾(ヤクルトほか)、岩瀬仁紀(中日)に続く史上4人目、最年長での偉業達成は決して“クローザー1本”で成し得たものではない。

 2006年にオリックス入団時は先発として1年目から10完投4完封。10年に当時の岡田彰布監督の勧めで救援に本格転向すると、11年は49HPを記録し最優秀中継ぎのタイトルを獲得。13年から抑えを務め、翌14年には当時のパ・リーグ新記録となる40セーブ、18年から海を渡り、メジャー3年間で150試合に登板して48ホールド、8セーブとリリーバーとして輝きを放ち続けた。21年にオリックスに復帰し、今年5月には史上初の通算200ホールド&200セーブも達成。先発・中継ぎ・抑えと多くの経験を積み重ね、今の平野佳寿がある。

「打たれることもある。その次に切り替えるのは難しいですけど、次の一歩を踏み出せた。その積み重ねで、ここまで来られた」

 来年で40歳を迎えるも、最速150キロ超のストレート、絶妙な高さから落とすフォークは健在だ。「まだ引退するつもりはないので、ここから一つでも(セーブ数を)伸ばせるように」と円熟味を増すベテランは輝き続ける。
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