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CLOSE UP 戦力外通告選手

<CLOSE UP>戦力外通告選手 ドラフト会議の裏側で

 

華やかなドラフトが行われた一方、岐路に立っている選手たちがいる。日本シリーズ終了翌日までの第二次戦力外通告期間に突入したNPB。10月2〜13日の第一次期間では、すでに100人が戦力外通告を受けた。昨年の同期間55人を大きく上回り、大改革が進む各チーム。当然、通告を受けた選手もこのままでは終われない。NPB合同トライアウトに備える者、海外へと活動の場を求める者、それぞれに動きを絶やさない。新たなオファーを待つ選手たちを一部紹介していく。
※情報は10月29日現在

楽天生命パークで行われた2022年のNPB合同トライアウト。今年は鎌ケ谷にて11月15日に実施される


求められた地で……


 2022年オフに初の試みとして実施された現役ドラフト。出場機会を確保しきれない選手の移籍を活性化させ、新たな活躍の場を与えようという目的で実施された。ソフトバンク阪神大竹耕太郎DeNA中日細川成也が大成功を収めた一方、新天地でも勝負の世界が広がり、成功を収める選手の陰には辛酸をなめる選手がいることに変わりはない。すでに12選手中6選手が戦力外通告を受け、5選手が現役続行希望を明かしている。

 ヤクルト成田翔ロッテからワンポイントリリーフとして期待された左のサイドハンド。18年には日米野球の侍ジャパンにも抜てきされたが、今季は一軍登板3試合、防御率5.40。ファームでも防御率5.15と振るわなかった。まだ25歳という若さに加え、変則左腕は多くの球団の欲するところで、大化けのあるタイプだけに今一度獲得に動く球団があっても不思議ない。

 18年日米野球参加メンバーからはもう一人、DeNA・笠原祥太郎も通告を受けた。中日時代に開幕投手を務めたこともある先発左腕は新天地でオープン戦から結果を残し、開幕3戦目に移籍後初先発。しかし、3回6安打、3四球、3失点と役目を果たせずファームへ。7月に再昇格するも3回3失点と炎上。これがDeNAでの最後の登坂となった。ただ、中継ぎにも取り組み、ファームで一定の数字は残した。現在は、横須賀の球団施設で11月15日のNPB合同トライアウト(鎌ヶ谷)に向け汗を流している。イースタンで対戦してきた球団、あるいは来季ファームに参加する新潟BCなどが手を挙げる可能性はある。

 ヤクルトから移籍した俊足堅守の外野手、オリックス渡邉大樹、4球団を渡り歩き、先発・中継ぎともに経験豊富なソフトバンク・古川侑利、不足していた右の長距離砲候補だった楽天・正隨優弥、変則右腕としての覚醒が期待された日本ハム松岡洸希らも、居場所を確保できなかった。

 移籍初年度の選手では西武張奕が厳しい通告を受けた。昨オフにオリックスへFA移籍した森友哉の人的補償として獲得されわずか1年。右肩の炎症で今春のWBC台湾代表を辞退すると、シーズンでもケガが重なり5試合登板で防御率9.00と苦しんだ。それでも、「しっかり肩を治して投げるための準備をしていきたいと思います」とし、これまで国境、育成入団、外野手からの投手転向と多くの壁を乗り越えてきた右腕は野球のできる場を模索している。最速157キロをマークしたことのある剛腕。その行方は海の向こうでも注目が集まる。

実績組にもメス


 貢献を続けてきた功労者たちも例外ではない。チームとして大きな衝撃を与えたのはソフトバンク。第一次通告期間では、育成選手のみの通告だったが、第二次通告期間に入って早々・・・

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