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西武・実りの秋とするために――。指揮官が目論む若獅子個々のレベルアップ「この練習と高知に行ってのキャンプ、覚悟しといてください!」(松井監督)

 

松井稼頭央監督就任1年目の今季は5位と低迷した西武。同じ轍は踏まない。来季、浮上するために秋季練習、キャンプでレベルアップを図った選手たちは質、そして量を意識した練習で野球と向き合っている。
写真=BBM

就任1年目の今季、5位という悔しい結果に終わった松井監督。チームを飛躍させるために力を尽くす


2班に分けた秋季キャンプ


 穏やかな笑みを浮かべていても、口調は厳しいものだった。10月12日のベルーナドーム。秋季練習初日の練習開始時、松井稼頭央監督は参加した選手に声をかけた。

「この練習と高知に行ってのキャンプ、覚悟しといてください!」

 この一声でスタッフ、選手の表情がみるみるうちに引き締まっていった。屈辱ともいえる5位から来季の巻き返し、さらには2008年以来の日本一へ。今秋の練習、キャンプへ向けて、指揮官は選手個々のレベルアップを目標に掲げた。

 質を良くすることは言うまでもないが、主眼に置いたのは練習量を増やすことだ。11月1日から19日までの秋季キャンプは2班に分けた。投手と一部野手はCAR3219と球団施設で、若手野手15人は高知・春野に分かれた。松井監督の説明は次のとおりだ。

「投手は成績(リーグ2位のチーム防御率2.93)も残してくれた中、フィジカル、リカバリーもある。野手は野手の課題もありますから。やるべきことは違いますから、そういう意味も含めて」

 投手が所沢に残留したのは、球団施設にあるラプソードをはじめとする機器を使って球筋、フォームなどを見直すことができるというメリットもある。

 若手中心の野手15人は高知・春野で鍛えた。春季キャンプでも利用する高知市の春野総合運動公園は宿舎にメイン球場、サブグラウンド、室内練習場が隣接している。プロ野球のキャンプといえば宿舎ホテルから球場までバスで移動するのが定番だが、春野はすべてが徒歩数分の圏内。その気になれば、何本でもバットを振って、何球でもノックを受けられる。夜も室内練習場を使うことが可能。野球漬けになる環境が整っている。

「缶詰というわけじゃないですけど、宿舎の目の前に球場も室内練習場もあるわけですから。3週間ですけれど、その環境の中、濃い内容でいろいろなことをやっていいキャンプにできれば」と指揮官は目を光らせた。

春より多いスイング量


 11月1日の秋季キャンプ初日・・・

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