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第2回現役ドラフトが開催 さらに活性化される制度へ

 

昨年に引き続き、12月8日に非公開のオンライン形式で「現役ドラフト」が開催された。NPBから17時に指名結果が発表されたが、今年も希望球団による2巡目指名は行われず。各球団1人ずつ、計12選手が移籍することになった。

現役ドラフトで巨人からヤクルトへ移籍することになった北村[写真=宮原和也]


 メジャー・リーグの「ルール5ドラフト」を参考に能力が開花していない選手に出場機会を与えることで、球界の活性化につなげる「現役ドラフト」。今年、同制度で新天地に移った大竹耕太郎(阪神)が12勝、細川成也(中日)が24本塁打を放ち、一定の成果が得られたと言える。ただ、その一方で今オフに6選手が戦力外通告を受けるなど(うち2選手は育成契約に)、厳しい現実もあった。

 外国人選手、複数年契約選手、年俸5000万円以上の選手、FA資格選手、育成契約選手、シーズン後の移籍獲得選手、シーズン後に支配下契約された選手以外の契約保留選手名簿に記載された選手の中から各球団が2選手を提出。1選手に限り年俸5000万円以上1億円未満の選手をリストアップできた。だが、さらに制度の活性化を図るために今年は年俸5000万円以上1億円未満の選手をリストアップした球団は年俸5000万円以下の選手を追加し、3選手以上、対象選手とするように制度が修正された。

 結果的に佐々木千隼(ロッテDeNA)、馬場皐輔(阪神→巨人)、鈴木博志(中日→オリックス)と3人のドラフト1位選手が移籍。大竹、細川の成功例を見て、現役ドラフトへの本気度が上がった球団もあったのだろう。日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長も「制度としていい方向に向かっていると思う」と前向きに捉えた。

■2023年度「現役ドラフト」第1巡目結果

※第2巡目は実施されず。年齢は2023年の満年齢。成績のEはイースタン、Wはウエスタン


 さて、現役ドラフトで指名された選手の中で、誰が“第二の大竹、細川”となるのか。本誌が注目したいのは北村拓己(巨人→ヤクルト)だ。

 2018年、亜大からドラフト4位で巨人に入団。森友哉(オリックス)、東克樹(DeNA)、田口麗斗(ヤクルト)らと同学年になる。19年にイースタンで最高出塁率(.414)を獲得し、一軍では通算6本塁打だが、パンチ力ある打撃が魅力だ。今年はファームで打率.305、3本塁打、24打点、OPS.872をマーク。内野の全ポジションを守ることができ、ヤクルトでは二塁手・山田哲人のバックアップ、遊撃手・長岡秀樹を刺激する存在として期待されるが、レギュラーを奪えるだけの能力も秘める。

「お世話になったジャイアンツに恩返しができるよう、また、これからお世話になる東京ヤクルトスワローズの力になれるよう、一生懸命頑張ります。引き続き応援をよろしくお願いします」(北村)

 もちろん、北村だけではない。何人の選手が来季、ブレークを果たすのか。現役ドラフトで新天地に挑む選手に注目したい。
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