年俸の額で言えばMLB投手史上最高額。契約期間の長さでも最長。MLB史上では二番目に長い契約となった。ポスティングシステムを使いメジャー移籍を目指していたオリックスの山本由伸。ドジャースと12年3億2500万ドルで契約合意。スーパースターとなった大谷翔平と共闘という形になった。また、楽天からFAとなった松井裕樹はパドレスと5年2800万ドルで契約合意となった。 写真=BBM ドジャースと12年契約を結んだ山本。強力打線をバックに1年目から、日本最高投手としての投球を見せたい
一度もメジャーのマウンドで投げたことがない。超一流の打者と対峙したことがない投手に対して最高の評価を示したドジャース。
ヤンキースやメッツも日本一の投手へ同等の額を提示したという。まさに「山本狂騒曲」だった。
シーズン中から多くのチームのスカウト幹部が来日し、視察を繰り返した。MLBは日本の査定価値とは違う、市場価値だ。今回、各球団が同じような額を提示したということは、山本由伸にメジャー全体が高評価を下したと言える。
3億2500万ドルの内訳は譲渡金、契約金も入った金額。6年目終了と8年目終了時点でオプトアウトの条項も入っているという。年俸自体は約2200万ドル前後で、この評価に関してはジャスティン・バーランダーやマックス・シャーザーの約半分。それでも新人としては破格だ。
大谷翔平を獲得したドジャースに足りなかったもの。それが先発だった。クレイトン・カーショウは左肩手術を受け、さらにFAとなり行き先不明。
ウォーカー・ビューラーはトミー・ジョン手術明けで未知数。そこで23年に10勝6敗のタイラー・グラスノーをレイズからトレード獲得したが、山本も必要だった。そこで陣営は大谷などを同席させてリクルート。尊敬する先輩であり、勝ちたい気持ちが人一倍強い大谷からの熱い言葉が、効果てきめんだったことは想像がつく。
大谷も交渉に同席し、山本を勧誘。2人で10年以上一緒に世界一を目指していく
ただ、ドジャースからすれば、まだ左腕先発とリリーバーが必要。これからも動きはありそうだ。チーム状況を加味すれば、山本は1年目からの15勝以上、そして世界一も見えてくる。日本人のファンにすれば、今まで以上に興奮するシーズンが始まることになる。
松井裕樹はパドレスと5年2800万ドル
日本時間のクリスマスイブの早朝、MLB公式ホームページは、松井裕樹がパドレスと5年2800万ドルで契約合意したと公表した。3年目、4年目にオプトアウトの権利があるようだ。パドレスは抑えのヘイダーがFA。先発陣も移籍し、野手の
ソトとグリシャムがヤンキースへトレードとなった。その中で松井は抑えとしての期待がかかるが、先発の補強がうまくいかない場合には、先発として起用される可能性もある。