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今永昇太がカブスと4年5300万ドルで合意! 上沢直之はレイズとマイナー契約へ

 

1993年世代の投手2人も海を渡ることになった。DeNA日本ハムからポスティングシステムを利用し、MLBへの移籍を目指していた今永昇太上沢直之が、交渉期限ギリギリでサイン。メジャー契約とマイナー契約と道は分かれたが、夢を実現する権利をつかみ取った。
写真=Getty Images

和田毅[ソフトバンク]も背負った背番号18を着けることになった今永。二番手候補として成長過程のカブスをまずは地区優勝へと導く


Hey,Chicago!


 会見冒頭、「Hey,Chicago! What do you say? The Cubs are gonna win today」とカブスの応援歌「Go Cubs go」の歌詞を引用しての自己紹介を披露。ユーモラスな一面を見せて、シカゴのファンと報道陣の心をがっちりつかんだ。

 ポスティングシステムによるMLB挑戦を目指す中、期限が迫る現地時間1月11日、カブスから契約合意が正式発表され、今永昇太の新天地が決定。翌12日に行われた入団会見では、黒のスーツに、カブス、そしてDeNAのチームカラーであるブルーのネクタイを着用した。「可能性が無限大に広がるチームを求めていた。カブスに入団することが自分の成長につながる」と決め手を明かしている。

 契約は4年5300万ドル。さらに、カブスが2025年か26年シーズン終了後にオプションを行使すれば28年までの5年8000万ドルとなる大型契約だ。「ジェド・ホイヤー(編成)本部長とカーター・ホーキンスGMと面談したときに力強い言葉をいただいた」と期待もその身に感じている。

若手の成長が見えてきたカブス。新監督を迎え入れ、今季チームの総仕上げとして今永を獲得したホイヤー編成本部長[右]。その期待に今永は応えたい


 本拠地であるリグレー・フィールドは、ファウルゾーンが狭く、打者有利の球場だが「早くリグレー・フィールドのマウンドに立ちたい」と不安はない。同じ左腕のエース、ジャスティン・スティールに次ぐ先発ローテの二番手と予想されており、20年の地区優勝以来ポストシーズンから遠ざかるチームを押し上げる一員になりたい。

 NPB8年間で64勝を挙げ、通算防御率3.18の好成績。22年のノーヒットノーラン達成など実績・インパクトともに十分だが、本人は「自分はまだ未完成だと思っているので、カブスに入団して、投手コーチの話を聞いたり、チームメートの投球を見たりして、自分自身がカブスと一緒に成長して、完成に近づいていければいいかなと思います」と、“投げる哲学者”と呼ばれた向上心が尽きることはない。

 背番号は15年に和田毅(現ソフトバンク)が背負った「18」に決定。WBC決勝でも先発した「侍の左腕エース」は、MLBの舞台でも輝きを放つ。

今永昇太入団会見一問一答


※一部抜粋

――多くのカブスファンが冒頭の英語のあいさつを喜んでいるようです。

今永 プライベートもフィールド上でも、ファニー・ガイ(面白い人物)でいられるように、いつも心掛けています。

――「投げる哲学者」というニックネームがあると聞いています。

今永 自分の野球以外の武器というものが、まだ未完成であると思っているので、自分を高みに持っていくために、日々勉強して、野球でも野球以外でもアメリカの私生活でも、日々勉強なので。そういった向上心を常に持って過ごしていきたいと思ってきたこと、やってきたことが、そういうふうなニックネームにつながったのかもしれないです。

――中4日への対応はどう考えていますか。

今永 初めての経験なので、とにかく周りの方からのアドバイスを聞き入れることが大事だと思う。いろんな方にたくさん質問して、スプリングトレーニングでもたくさん時間があると思うので、チームメート、監督、コーチからたくさんの意見を取り入れて、自分に合ったものを取り入れてまずはやってみるということを心掛けて順応していきたいと思います。

上沢はレイズとマイナー契約 招待選手で春季キャンプへ


上沢直之


 交渉期限を過ぎてからの発表となった。現地時間1月11日、レイズが上沢直之とマイナー契約で合意したことを発表した。「レイズに所属することができ、MLBのキャリアを始めることをうれしく思います。球団の投手育成の実績にひかれ、レイズでプレーすることを決断しました」と上沢はコメントを公表した。2月13日から始まる投手のスプリングトレーニングに参加する上沢は、メジャー昇格となった場合、年俸+出来高で350万ドルを受け取る契約になっているという。先発戦力的に余力のあるア・リーグの強豪レイズ。それでもその中で先発ローテに食い込むつもりだ。
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