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2024球界リポート

<競技者表彰プレーヤー部門>谷繁元信氏、黒田博樹氏が殿堂入り

 

2024年の野球殿堂入り通知式が1月18日、都内の野球殿堂博物館で行われた。プレーヤー表彰では大洋・横浜(現DeNA)、中日でプロ野球史上最多の3021試合出場を果たした谷繁元信氏、広島、ドジャース、ヤンキースで日米通算203勝を挙げた黒田博樹氏が選出。特別表彰では元セ・リーグ審判員の谷村友一氏(享年94)が選ばれた。
写真=高原由佳、BBM

競技者表彰プレーヤー部門で野球殿堂入りを果たした谷繁氏[左]、黒田氏


マウンドに立つ責任感を持ち続けて


 黒田博樹氏がマウンドに立つ責任感をたたき込まれたのは、広島入団5年目の2001年のことだ。同年は山本浩二監督が2度目の指揮を執り始めたシーズンだったが、「なかなか代えてもらえなかった」と述懐する。「少々のことではマウンドを降りることを許してもらえない。浩二さんとの出会いで、エースとして最後まで投げ抜く精神をたたき込んでもらいました」。それまで2ケタ勝利には届かなかったが、01年は12勝をマーク。13完投はリーグ1位を誇った。

 谷繁元信氏も黒田氏の印象として「先発したら最後まで投げ抜く。何球投げてもへこたれない」と語ったが、さらに「狭い球場でも常に先発完投を目指していたこと」を称賛。両翼91.4メートルの狭い旧広島市民球場を本拠地としながら「平気でえぐってくるシュートが嫌でした」(谷繁氏)と逃げずに内角を突くピッチングを軸に、05年には15勝、06年には防御率1.85を挙げてタイトルに輝いた。

 現役時代には「マウンドに上がるたびに震えるような怖さがある」と口にしたこともある。それは現役最後まで変わらなかった。

「100%抑えられると分かっていれば、マウンドに上がるのも楽しいでしょうけど、そんなことって絶対あり得ないこと。その中で期待に応えて結果を出さないといけないということに対して、それなりの恐怖感、不安感を持つんだと思います」

 だからこそ、進化を止めなかった。08年からドジャース、12年からはヤンキースでプレー。グレッグ・マダックス(ドジャース)にアドバイスを仰いでツーシームを習得するなど、投球スタイルをアップデートさせた。メジャーでは11年以降、1年ずつ契約を更新してきたが、それも「自分の立ち位置を考えて、確認するため」だった・・・

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