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オープン戦リポート2024

<オープン戦リポート2024>巨人・「懸案解消+α」で虎退治の準備整う

 

新人・佐々木が重量打線にスピードをもたらすはずだ


 最後のオープン戦となった3月22日からの東京ドームでの楽天3連戦。勝敗こそ2敗1分けとなったものの、阪神との開幕カードに向けて「想定どおり+α」の形で臨める態勢が整った。

 懸案が解消されて「想定どおり」に事を進めることができるのは投手陣だ。23日の第2戦に先発したF.グリフィンが3イニングを4奪三振で完全投球。早々と開幕先発ローテ入りを託されながら2戦連続の炎上でこの日の「追試」となっていたが、見事にクリアして「結果が出て安心した」と胸をなでおろした。阿部慎之助監督も「このまま行きます」と30日の開幕2戦目となる阪神戦(東京ドーム)での先発を明言した。

グリフィンは「追試」に合格して開幕2戦目の先発へ


 もうひとつが守護神・大勢の復帰だ。春季キャンプ序盤に右ふくらはぎを痛めて出遅れていたが、同じく23日の楽天戦の9回にオープン戦初登板。二死から1失点で同点に追いつかれたものの最速は157キロを計測し、指揮官も「あれくらい投げられればいいかな」と納得顔を見せた。連投となった翌24日の同戦も大城卓三の盗塁刺にも助けられて1イニングを打者3人で無失点。阿部監督が「(投手陣は)後ろがしっかりすれば、すべて落ち着く」と語っていた投手陣のキーマンが、滑り込みで開幕に間に合った。

 確かに24日の試合では6、7回に中継ぎ陣が乱れて逆転を許した。それでも8回は中川皓太が3人でピシャリ。昨季からの課題であるリリーフ陣だが、8回・中川、9回・大勢の勝ちパターンで臨める意味は大きいだろう。

守護神・大勢が開幕に間に合ったことは大きい


「+α」は攻撃陣、新人の佐々木俊輔だ。開幕を想定した22日の楽天との初戦から3試合連続となる一番・中堅でのスタメン出場。最終的には規定打席にあと1打席届かなかったが、打率.400でオープン戦の首位打者に迫る活躍を見せた。

 この3連戦では9打数1安打に終わったものの、打線における機能性を考えれば悪くない。22日は4回に先頭として四球で出塁すると、続く二番・門脇誠の二塁打で快足を飛ばして一気にホームイン。24日の初回も俊足を生かして内野安打をもぎ取り、門脇が犠打で送って三番・丸佳浩の2ランを呼び込んだ。指揮官が標榜する「足と小技を絡めた相手が嫌がる攻撃」の起点となっていた。

 攻撃陣全体を見ても、24日は丸に続いて四番・岡本和真、さらに吉川尚輝にも一発。湿り気味だった打線も上向きで開幕を迎えることができそうだ。いきなり迎えるライバルとの開幕カードで、昨季は6勝18敗1分けと大敗を喫した阪神にリベンジを果たすことができるか。

写真=大賀章好

3.29対T@東京ドーム 開幕予想スタメン

※△は左打ち
オドーア選手は26日、米国に戻りたいと本人からの退団の申し出により退団が発表されました



開幕カード予想先発

※△左投げ

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