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ペナントレース熱戦FOCUS 2025

阪神・佐藤輝明が自己最多月間8本塁打 覇権奪還を目指し量産へ

 

軽いスイングで打球がグングン伸びていく。ドジャースの大谷翔平にも引けを取らない打球速度と飛距離を持つ阪神佐藤輝明。今季は開幕から好調でリーグトップの10本塁打。しかも4月は自己最多の月間8本塁打でチームの開幕ダッシュに貢献している。
成績は5月1日現在

自己最多となる月間8本目の本塁打を広いバンテリンの右翼席に放り込んだ佐藤輝[写真=井田新輔]


 広い球場もこの男のパワーは関係ない。打った瞬間にそれと分かる打球が右翼席に飛び込んだ。4月29日、中日戦(バンテリン)の4回、0対1と追いかける展開の一死の場面で打席に立った佐藤輝明が1-1からの3球目、中日のベテラン先発・涌井秀章が投じた内角高めの145キロの真っすぐに反応した。

「高めの球をしっかりコンタクトできた。いい打撃ができた。早めに追いつきたい展開だったので良かった」

 打球は4.8メートルの高いフェンスを越え、リーグトップとなる第9号本塁打になった。4月は自己最多月間8本塁打を記録した。2022年4月と23年9月に月間7本があるがこれを超えた。今季は高めの真っすぐにスムーズに反応している。3月16日のプレシーズンマッチのドジャース戦。サイ・ヤング賞2度獲得の剛腕左腕のブレイク・スネルの152キロの高めの真っすぐにスムーズにバットを出し3ランを放った。

 そこからの勢いに乗っている。開幕戦の初回に広島の開幕投手の森下暢仁からいきなりの先制2ラン。第2号は4月3日のDeNA戦(京セラドーム)。5日の巨人戦(東京ドーム)では1試合2本塁打を放った。この2本はいずれも流した形で左翼席に入る本塁打。これまで引っ張ることが多かっただけに、相手バッテリーからすると驚異の打撃となっている。

 さらに4月20日の広島戦(甲子園)ではバックスクリーンに2度も本塁打をたたき込んだ。詳細を語らない佐藤輝だが「これまで取り組んできていることが形になっている」と自信を持って打席に立っているのだ。今季は途中から四番を任されており、三振の数も昨年のこの時期よりも減らして、勝負どころでの好打、本塁打が出ており、そのインパクトは強い。

 チームは30日に延長で4対5のサヨナラ負け。5月1日も2対3で惜敗となり4連敗を喫したが、14勝12敗1分けで貯金2のリーグ2位。佐藤輝が四番をしっかり務め、3、4月の打点も自己最多の24打点でリーグトップ。打率もこの時期では2番目にいい.267と順調な出足となった。この勢いで打ち続けると待望の30本塁打の可能性も高い。しかし、ここからは各球団の徹底マークが待っている。その包囲網をかいくぐり、2年ぶりの覇権奪還を目指して、本塁打を量産していくだけだ。

PROFILE
さとう・てるあき●1999年3月13日生まれ。187cm95kg。兵庫県出身。仁川学院高-近大-阪神21[1]=5年。
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