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ペナントレース熱戦FOCUS 2025

西武・西川愛也が初回.533の高打率 獅子に誕生した待望のトップバッター

 

今季の西武打線は初回にリーグトップの17打点を挙げているが、この男の存在が大きい。8年目の西川愛也だ。4月中旬から一番を務めているが、初回の打率は.533をマーク。背番号51が打線の火付け役となっている。
写真=桜井ひとし
※成績は5月11日現在


5月7日のソフトバンク戦では猛打賞。ビッグチェーンネックレスをつけお立ち台へ


 近年、固定されなかった西武の「一番打者問題」が解決されようとしている。2019年のオフに秋山翔吾(現広島)がメジャーへ移籍以降、不在だったトップバッター。今季、その座に収まっているのが8年目の西川愛也だ。

 開幕から二番で起用されていたが、4月13日の日本ハム戦(エスコンF)以降は一番に定着すると、4月27日のオリックス戦(ベルーナ)から初回の第1打席で7試合連続安打をマーク。今季はここまで第1打席の打率が30打数16安打で打率.533と高打率をマークしているが、特に一番打者としての初回打率は23試合で.650だ。バットコントロールのうまさに加え、パンチ力も十分。11本の二塁打はリーグ2位。10盗塁も同じく2位の数字を誇る。

 21年から2年間にわたって一軍で安打が出ない苦しみを味わった。23年4月30日の楽天戦(ベルーナ)ではNPB野手ワースト記録を62打席連続無安打に更新。しかし、負の経験を糧にした。昨季は打率.227に終わったが、チーム4位の335打席を重ねたことで、「自分がこういう状態のときはこういう結果が出やすい。体の使い方がこうだからこういう結果になった、というのが分かるようになった」。2ストライク以降、ボール球に手を出すことが多かったと自己分析。昨季は2ストライク時の打率は.177だったが、今季はここまで.246と追い込まれても簡単に打ち取られていない。

 5月7日のソフトバンク戦(ベルーナ)ではチームの連敗を3で止める活躍を見せた。1点を先制された直後の初回、右前打で出塁し、同点のホームを踏んだ。2回二死では11試合ぶりの2号ソロを右翼席に運び、5回には右翼線二塁打をマーク。あわやサイクル安打の打棒を発揮し、7対1の勝利に貢献した。

「1打席目はチームの先頭打者なので、そこは特に集中しています。タイミングがしっかり取れているのと、ピッチャーに対しての準備ができている。狙い球でない球が来たときにも良い反応ができていると思います」

5月7日のソフトバンク戦でも初回に安打で出塁。3点を奪って逆転する足掛かりをつくった


 34試合を消化した時点でチームは19勝15敗、勝率.559で3位。歴史的貧打もあり、昨季は球団ワーストの91敗を喫して断トツ最下位に沈んだが、今季は必死に他球団に食らいついている。打線も無抵抗で終わることが減ったのは西川の存在が大きい。背番号51がトップバッターとして、これからも力強く西武打線をけん引していく。

■西川愛也のイニング別打撃成績(5月11日時点)

PROFILE
にしかわ・まなや●1999年6月10日生まれ。181cm90kg。大阪府出身。[甲]花咲徳栄高-西武18[2]=8年。
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