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日本生命セ・パ交流戦

ソフトバンク・柳町達 6年目で交流戦初タイトル

 

今年の交流戦はパ・リーグが63勝とセ・リーグの43勝を大きく上回って幕を閉じた。ソフトバンクが6年ぶりの優勝を飾り、MVPには首位打者の柳町達選手が選ばれた。

<最優秀選手賞>ソフトバンク・柳町達


柳町達[外野手/ソフトバンク]


選考理由
 全18試合に三番打者として先発出場し、打率.397で交流戦首位打者を獲得。16試合中8試合で複数安打を放つなど打線の中軸として、チームを9度目の交流戦優勝へ導いた。

<優秀選手賞>ソフトバンク・大関友久&中日・岡林勇希


大関友久[投手/ソフトバンク]


選考理由
 3試合に先発登板しトップタイとなる防御率0.78を記録。23イニングを投げ、自責点2と安定感のある投球でチームの6年ぶり交流戦優勝に貢献。2022年から続く自身の交流戦での連勝記録を6に伸ばした。

岡林勇希[外野手/中日]


選考理由
 全18試合に先発出場し、猛打賞4回、マルチ安打10回を含む交流戦トップの28安打を記録。上位打線の中心として、12球団トップタイの得点圏打率.500を記録し勝負強い打撃も見せた。

中心選手へと成長


 ソフトバンクを6年ぶり9度目の優勝へと導いた立役者は、MVPに輝いた柳町達だ。開幕二軍スタートだったが、4月23日のオリックス戦(みずほPayPay)から下位打線で名を連ねると、巧みなバットコントロールを武器に安打を積み重ねて存在感を示し、交流戦から三番打者に定着。全18試合で先発出場した。

 交流戦開幕カードの中日戦(6月3〜5日/みずほPayPay)では7安打、5打点の大暴れでチームの3連勝に導くと、7日のヤクルト戦(神宮)では4安打2打点と猛打を披露。安打数は岡林勇希(中日)に1本差の27本で2位タイだったが、打率.397、出塁率.474はトップ。打線の中軸として、12球団トップのチーム計79得点を生み出す原動力となった。

 優勝会見で小久保裕紀監督も「交流戦を通じて自分の地位を確立した。外せない選手から、チームを引っ張る選手になった」と厚い信頼を口にした。6年目の外野手は8日のヤクルト戦(神宮)で規定打席に到達し、6月29日現在、パ・リーグ1位の打率と出塁率を誇る。「これからが本当の勝負だと思う。これからもヒットを積み重ねて、チームの順位を上げていくことに貢献していきたいです」と交流戦表彰会見で力強く話した柳町。過去、野手の交流戦MVP獲得者の13人中7人が、シーズンの打撃タイトルを獲得している。

際立ったパ・リーグの強さ


 20回目の節目を迎えた今年の交流戦は、パ・リーグの圧倒的な強さと記録ずくめの展開で幕を閉じた。優勝したソフトバンクから6位までをパ・リーグで独占し、全6球団が勝率5割以上をマーク。セ・リーグより20勝も多い63勝を挙げて3年連続の勝ち越し。折り返し地点の9試合目終了時点では、首位・ソフトバンクから1ゲーム差に8球団がひしめいていたが、13試合目以降、パ・リーグが上位6位までを席巻した。

 そのなかで注目点は、同一リーグの全勝が計3度(パ2度、セ1度)あったことだろう。過去19年の歴史の中でわずか8度の出来事が、1年で3度も記録された。まず、4日の開幕2日目にパ・リーグが3年ぶりとなる通算6度目の全勝を達成すると、8日に、今度はセ・リーグが7年ぶりとなる通算4度目の全勝でお返し。同一年に両リーグがともに全勝を達成したのは交流戦が始まって以来史上初の出来事だった。翌週の15日には、再びパ・リーグが全勝した。

 このような異例の展開もあり、両リーグともゲーム差がほとんど縮まらない交流戦となった。優勝したソフトバンクは12勝5敗1分けで交流戦前の貯金0から貯金7まで伸ばしたものの、順位は4位から3位に、首位・日本ハムとのゲーム差も4.5から3.0のわずか1.5ゲーム詰めただけにとどまった。

■ソフトバンク・戦いのあしあと

〜交流戦個人成績〜
■投手成績5選

※黄色地は交流戦トップ


■打者成績5選

※黄色地は交流戦トップ

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