
7月4日の記者会見で抱負を語った(左から主将の法大・松下歩叶、創価大・立石正広、堀井哲也監督、早大・伊藤樹、青学大・中西聖輝)[写真=矢野寿明]
「一戦必勝」の気持ち
若き侍戦士たちがメジャー予備軍を迎え撃つ。第45回日米大学野球選手権は、7月8日から13日まで北海道、新潟、東京で開催され、侍ジャパン大学日本代表がアメリカ代表と5試合を戦う。6年ぶりの自国開催、負けられない戦いになる。
6月21〜23日の選考合宿を経て26人の大学日本代表が選出され、6月30日からの直前合宿では練習試合3戦をこなした。三菱重工East戦は13対2、
DeNA二軍戦は6対5で勝利。
ヤクルト二軍戦は序盤に4点のビハインドから終盤に追いつき引き分けに持ち込んだ。社会人の強豪、NPB二軍相手の実戦を3戦負けなしで終えた。合宿最終日の7月4日には記者会見が行われた。

7月1、2日と高橋由伸臨時コーチが指導。2日には侍ジャパントップチームを指揮する井端弘和監督が視察に訪れた[写真=矢野寿明]
東京六大学、東都一部のナンバーワン右腕が侍ジャパン投手陣を引っ張る。伊藤樹(早大4年・仙台育英高)、中西聖輝(青学大4年・智弁和歌山高)の右腕2人が投手陣の柱として期待されている。
伊藤は東京六大学リーグ通算19勝。ゲームメーク能力に長け、三菱重工East戦に先発し、4回2安打無失点と好投した。昨夏も大学日本代表に選出され、国際2大会で3試合7イニングを投げ無失点で優勝に貢献している。「自分の役割はゼロで抑えること。一戦必勝の気持ちで臨みたい」と気合十分だ。
中西は高校3年夏に甲子園で全国制覇に貢献。今春の東都一部リーグでは最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの3冠に輝いた。高校3年時には新型コロナ禍の影響で国際試合が行われなかったこともあり、今回が代表初選出になる。先発したDeNA二軍戦では、初回に味方の失策や不運な当たりもあって2点を失ったが、2回以降の3イニングを無失点に抑えた。「いい調整ができている。代表には素晴らしい投手がたくさんそろっている。全力で投げたいです」と、初めての国際大会に燃える。
主将の役割
打線では2025年のドラフトの目玉と言われる右打ちの強打者・立石正広(創価大4年・高川学園高)、直前合宿での練習試合3試合で2本塁打を放った左のスラッガー・小田康一郎(青学大4年・中京高)らが中軸を打つ。昨年の経験者で、今大会は主将を務める松下歩叶(法大4年・桐蔭学園高)は練習試合3試合で、いずれもリードオフマンを務めた。「チームに勢いをつける役割を果たしたい。それぞれがコミュニケーションを取り合って結束力も上がっており、チームの仕上がりはいい状態。日本開催なので、勝たなければいけない。勝ちにこだわって、全力で戦います」と意気込みを語った。
2023年に行われた前回大会、
武内夏暉(国学院大-
西武)、
常廣羽也斗(青学大-
広島)、
宗山塁(明大-
楽天)らを擁した日本は、敵地開催で07年以来となる2度目の優勝を果たした。19年夏(日本開催)の第43回、23年夏の第44回と日本は同大会を連覇。今回は3連覇を目指す“日米決戦”となる。
昨夏、チェコ、オランダでの2つの国際大会を制した大学日本代表・堀井哲也監督(慶大監督)は「3連覇への期待も大きいと思う。そこを目指して、学生たちが全力を出せるよう環境づくりをしていきたい」と、力強く語った。(取材・文=小川誠志)
【第45回日米大学野球選手権大会】 ▽第1戦
7月8日(火) エスコンフィールドHOKKAIDO
▽第2戦
7月9日(水) エスコンフィールドHOKKAIDO
▽第3戦
7月11日(金) HARD OFF ECO スタジアム新潟
▽第4戦
7月12日(土) HARD OFF ECO スタジアム新潟
▽第5戦
7月13日(日) 明治神宮野球場