
追悼試合後には長嶋氏のポジションである三塁ベース付近に選手や球団OB、関係者によって背番号「3」の人文字がつくられた
ミスターへの大きな思いに、東京ドームが包み込まれた。「
長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として行われた8月16日の
阪神戦では監督・コーチ・選手の全員が永久欠番である栄光の背番号「3」のユニフォームをまとって試合に臨んだ。

長嶋氏の代名詞である「四番・サード」で一軍復帰を果たした岡本和真をはじめ、監督・コーチ・全選手が背番号「3」を背負った
試合前の追悼セレモニーでのセレモニアルピッチは愛弟子である
松井秀喜氏が務め、さらに
王貞治氏、
原辰徳氏、
高橋由伸氏がサプライズで登場。左打席に王氏、右打席に原氏、球審に高橋氏、捕手は
阿部慎之助監督というレジェンドが顔をそろえ、スタンドのファンは大歓声を上げた。松井氏は投球前にボールを天に掲げ、「監督、投げますね」と心の中でつぶやいたという。ノーバウンドでの投球に「ホッとした。両打席に大レジェンドがいたので、久しぶりにビビりました。(長嶋)監督が見守ってくれたんじゃないですか」と柔らかな笑顔を見せていた。

セレモニアルピッチでは始球式に松井氏、左打席に王氏、右打席に原氏、球審に高橋氏、捕手に阿部監督と長嶋氏に縁のあるレジェンドが集結
代名詞の「1」ではなく「3」で登場した王氏も「東京ドームだけではなく、日本全国で盛り上げてくれたような感じですごくうれしい。長嶋さんも喜んでくれているのではないかと思う」と微笑み、原氏もミスターについて「僕の目標の方でもありましたし、同時にとにかくプレーが常に全力であった。燦然と輝く存在でした」と思いを語った。

東京ドームの各所が「長嶋茂雄」で埋め尽くされた
しかし、伝統の一戦となった試合は2安打無得点に終わり0対3で完敗。阿部監督は「とても残念でしたけど、素晴らしい一日だった。みんな、重圧に負けてしまったかな。(長嶋さんが生前なら)めちゃくちゃ怒られているんじゃないか」と申し訳なさそうに口にした。
11月21日にはあらためて「お別れの会」が東京ドームで開催されることも発表。ミスターの偉大さ、残したものを次世代へつないでいく責任をあらためて選手たちが、そしてファンも感じた一日だった。

東京ドームには数多くの「長嶋ファン」が集った