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ペナントレース熱戦FOCUS 2025

ソフトバンク・今宮健太が最初で最後!? 史上初の400犠打&100本塁打

 

小さな積み重ねが、また一つ球史に名前を残した。8月27日の楽天戦(秋田)でソフトバンク今宮健太がNPB史上4人目の通算400犠打を達成。同22日の日本ハム戦(エスコンF)で通算100本塁打を放っており、小技と長打、両方で節目を迎えた史上初の選手となった。

8月27日の楽天戦[秋田]の4回にバントを決め、通算400犠打を達成[写真=川口洋邦]


 歴史に名前を刻む瞬間だった。8月27日の楽天戦(秋田)。1点リードの4回無死一塁の場面で今宮健太がバントをなんなく決め、史上4人目の通算400犠打を達成した。「節目の記録をなんとか生かすんだと気合が入った」と次打者の柳町達が鮮やかな適時打を放ち、記録に色どりを添えた。

「バントがなければ、今ここに立っていない」と振り返った今宮。高校時代は、通算62本塁打の長打力と、投げてはMAX154キロの直球を投げ込む高い身体能力が売りの内野手として活躍し、2010年ドラフト1位でソフトバンクに入団した。しかし、身長172cmはプロ野球選手としては小柄なため、一軍での出場機会を得るために磨いたのは、守備とバント。「1、2年目から二軍で練習しました」と3年目に126試合出場し、自らの生きる道を切り開いた。

 一軍での出場機会を重ねる中で、眠っていた打撃の才能が開花する。16年から4年連続2ケタ本塁打を放ち、今年8月22日の日本ハム戦(エスコンF)では、通算の本塁打数は100に到達。通算400犠打との達成は、史上初の出来事だ。小久保裕紀監督は「400犠打に100号(の選手)はもう出てこない。球界に名を残した記録だと思いますよ」とつなぎ役に徹した職人をたたえた。

8月22日の日本ハム戦[エスコンF]の2回に右翼へソロ本塁打を放ち、通算100本塁打を達成[写真=兼村竜介]


「犠打を積み重ねていくことは、プロとして活躍し続けることとイコール関係。これからもっと数字を伸ばしていけるように鍛錬していきたい」と話した16年目のベテラン。チームの勝利のために、どんな役割でも全力で取り組んできた姿勢は、これからも変わらない。
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