2020年にチーム発足。独立リーグ・北海道ベースボールリーグ(HBL)でしのぎを削っている。全国各地から富良野市に集った選手たちが心技体を高めるとともに、野球を通して地域の活力の源となることを理念とする。ゆくゆくはNPB選手の輩出へ。就任3年目の指揮官が見つめる将来像について聞いた。 取材・文=相原礼以奈 写真=富良野ブルーリッジ提供 
富良野市の恵まれた環境で鍛錬する富良野ブルーリッジの選手たち。1列目中央は篠田信子代表
青年監督の挑戦
大学を卒業した2023年に、独立リーグという世界に踏み出した。それも指導者の立場で、大学のある鹿児島県からも故郷の神奈川県からも遠く離れた、北海道という新天地で。
「北海道は旅行でも1回も訪れたことがない地域だったので、不安もありました。でも割とワクワクするというか、楽しみという気持ちの方が強かったですね」
富良野ブルーリッジの町田祐樹監督は、明るく当時を振り返る。
幼いころから野球に打ち込み、高校まで選手としてプレーした。もともとケガと付き合いながらの野球人生でもあり、いつしか目標はプレーヤーから指導者へと向いていた。「じゃあもう、大学からそういう立場に回ろうと。高校野球の監督になりたいと思っていたので、大学選びも保健体育の免許が取れる大学をと選びました」。
最初に進学した吉備国際大(岡山)、3年次から編入した鹿屋体育大(鹿児島)の両大学で、野球部の学生コーチを務めた。編入した鹿屋体育大では野球部の藤井雅文監督の下、より深くコーチングを学び、実践につなげてきた。
監督就任のきっかけは、当時、高校時代の仲間が富良野ブルーリッジに選手として在籍していたこと。大学卒業後の進路を考えていたとき、指導者として来ないかと誘われた。
「そもそも、今いる自分のフィールドよりも上のカテゴリーの人たちに野球を教えることが初めてですし、当然、入ってからも年上ばかり」。不安も期待も抱えて、地域おこし協力隊として富良野市にやって来た。協力隊の業務としてチーム運営に携わり、監督を務めている。
富良野ブルーリッジの選手たちは基本的に、午前中は地元のスポンサー企業などの職場で働き、午後から練習している。北海道ベースボールリーグには2球団が所属しており、5〜9月の週末を中心とした日程で・・・
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