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阪神・佐藤輝明が40本塁打&100打点達成! 生え抜き打者として40年ぶり「思い切って打つことだけを考えていました。ただただうれしいです!」

 

9月7日に2リーグ制以降最速でリーグ優勝を果たした阪神。その立役者である投打の柱が複数タイトルを獲得した。四番打者は生え抜き打者としては40年ぶりに40本塁打&100打点超えを達成し本塁打王と打点王の2冠を。右のエースは投手3冠を手にした。
写真=宮原和也

2025.10.3 @甲子園

阪神・佐藤輝明


 打った瞬間にそれと分かる豪快な一発で記録を達成した。阪神・佐藤輝明は、右翼席ポール際に上がった打球を見ながら確信。両手を大きく広げ観客席に落ちていく40号本塁打を見送った。

「打ったのはストレート。チャンスで繋いでもらったので、思い切って打つことだけを考えていました。ただただうれしいです!」

 10月2日の阪神最終戦のヤクルト戦(甲子園)。39本塁打で1985年に掛布雅之氏が達成した生え抜き打者の40本塁打&100打点以上の記録(掛布氏は40本塁打108打点)にあと1本と迫っていた。迎えた5回一死二塁で打席に入る。マウンドには昨年までチームメートだった青柳晃洋。4対1で追加点が欲しい場面だった。その初球、142キロの真っすぐが、内角真ん中よりに入ってきた。迷わずに反応し一閃。2ランとなった。

 これで球団史上5人目の40本塁打&100打点以上を達成。この試合の初回に一死三塁から犠飛を放ち、100打点も達成。この2ランで102打点として、2冠を達成と同時に阪神生え抜きの打者としては85年の掛布雅之氏以来の40年ぶりの快挙となった。

大台40本塁打目は、昨年までのチームメート・青柳からの一発。初球に狙いを定め、振り抜いた


 打席に入る前から満員の観客から「ホームラン!」コールが起こる中での達成。「最終戦というところで。プレッシャーというか、達成したい気持ちはあったので。うれしい」と試合後に語った。9月28日、週刊ベースボール通算4000号記念のトークイベントに出演した掛布氏は「(残りの打席で)意識して打てれば、来年も40本打てると思う」と語っていたが、狙っていた中での大台到達。佐藤輝が進化を見せた形となった。

 甲子園の右翼から左翼へ抜ける海辺からの強い浜風が、阪神の左打者を悩ませてきた。しかし佐藤輝は今季、リラックスしたスイングから、左翼、中堅、右翼へと11本塁打を打ち分けた。また、広いとされるバンテリンドームでも12試合で7本塁打と、もともと持ち合わせていたパワーに、進化した技術を駆使し40本塁打に到達した。

 強力なクリーンアップを形成した三番・森下翔太が23本塁打&89打点のリーグ2位、五番・大山悠輔が打点リーグ3位の75を挙げており、2人の活躍が佐藤輝の背中を後押ししたのは事実だ。「もっと考えながらやりたいと思います。しっかり確率を求めて、そう(三冠王に)なればいいなと思いますね。もっといけるんじゃないかなと思うし、それをまたオフに考えたいですね」と向上心を忘れない。この快挙を胸に、CSファイナル&日本シリーズでも本塁打をどん欲に狙っていく。

■阪神打者の40本塁打&100打点達成者

佐藤輝同期の村上は投手3冠


2023年に最優秀防御率を獲得した村上だが、今季は3つのタイトルを手に入れた


 10月2日のヤクルト戦(甲子園)に先発した村上頌樹は、7回を5安打8奪三振2失点で6対2の勝利に貢献し14勝目を挙げた。14勝でDeNA東克樹に並び最多勝。14勝4敗の勝率.778で勝率第1位。さらに144奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得し、投手3冠を達成。「全て初めてのタイトルなので、うれしいです。3冠はチームとしても青柳(青柳晃洋=現ヤクルト)さん以来(2022年)なのでとても光栄です」と喜びを語った。
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