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連続写真に見るプロのテクニック

【連続写真】ヤクルト・塩見泰隆「大振りをしないバッターだが、パンチ力もある。1シーズンプレーしたらどのような成績が残るのか楽しみ」

 

入団から2シーズンは一軍定着とはなりませんでしたが、今春のオープン戦ではチームでただ1人、規定打席をクリアし、打率.302とアピールに成功しました。バレンティン選手がソフトバンクに移籍しており、レフトのレギュラーに最も近い選手です。

【チェックポイント】[1]軸足内側体重◎[3]グリップの高さが安定



【チェックポイント】[8]左腰が上がる×[10]両ワキの締まり◎


【チェックポイント】[11]ヘッドが寝る(右手の向き)&左ヒザが突っ張る×



【ポイント】上半身の使い方◎


 オープン戦でホームランを放つ場面を見ました。印象としては大振りをしないバッターで、でも、パンチ力もある。1シーズンプレーしたらどのような成績が残るのか、楽しみなバッターだと思います。

 注目してほしいのがグリップの位置(高さ)です。写真1ではアゴのラインにありますが、ここから左足を上げてテークバックを取った写真3でも、トップの写真8でもその高さは変わらず、このラインを意識しているのだと思います。バットを操作する上でグリップを大きく上下動させないのは、動きのムダを省く上で意味のあるもので、塩見選手の特徴の1つと言えるでしょう。重心を落とした始動の形(写真1)も良く、写真8までの間、軸足(右足)内側+軸足股関節に意識を持っているのも良いと思います。ここまでは下半身に貯めた力が逃げることもありません。

 写真9からのバットの出方も悪くはないのですが、ややヘッドが寝てインパクトの瞬間を迎えてしまうので(写真11〜写真12)、立てる意識を持ってほしいところです。写真10などを見ても分かるとおり、遠回りをせずに肩口からバットを出そうとしていますし、ワキの締め方も悪くないですから、ほんの少しだけでもヘッドを意識するだけでスイングの軌道も変わってくると思います。バットのヘッドの立て方としては、右手が重要で、例えば写真11の時点で“手のひら”が真上を向いていますが、これを多少でもボールに向けるようにすることができれば、ヘッドは落ちないはずです。ちなみに、ヘッドが立つと、もっと押し込みがきくようになり、多少差し込まれても力で弾き返すことができますし、自分のポイントでとらえた打球は飛距離も、強さも増すと思います。

 もう1つ、注文を付けるとすれば、軸に残す意識でしょうか。引き付けてとらえたいという気持ちも分かりますが、ややその意識が強く出てしまっています。写真7から素直に前に移動して踏み込めばいいのですが、残そうとするので写真8では左の腰が上がってしまいます。上半身が安定しているのでバランスは取れていますが、下半身だけ見るとインパクトの前から左のヒザが突っ張り、余裕が感じられません。このシーンでは速球系のボールをさばいていますが、変化球で抜かれていたらどうでしょうか。セ・リーグは変化球が多いですから、アベレージを残したいならば、写真8以降でもう少し打ちに出て(前で回転)、かつ、左ヒザを柔らかく使うことを考えてほしいと思います。(フォーム解説=柴原洋)

PROFILE
塩見泰隆/しおみ・やすたか●1993年6月12日生まれ。神奈川県出身。右投右打。179cm76kg。外野手。武相高から帝京大、JX-ENEOSを経て、2017年ドラフト4位でヤクルトに入団。昨季は二軍で3割を超えるアベレージを残してアピール。今春はオープン戦で規定打席に到達し、.302をマーク。左翼の定位置獲りに挑む。2019年の成績は45試合16安打1本塁打7打点4盗塁、打率.182

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