プロフェッショナルたちのこだわりのギアに迫る、シーズン恒例“道具の流儀”2017年版がスタート。先陣を切るのは巨人・高橋由伸監督の参謀であり、内野守備走塁コーチを務める井端弘和コーチだ。ご存じ、ゴールデン・グラブ7度受賞(遊撃手)の名手。後継者育成のために日々振るうノックバットにはどのようなこだわりがあるのだろうか。 取材・文=坂本匠、写真=大泉謙也 “打撃は水もの”は野球界に古くから伝わる格言だが、だからこそどの球団も投手を含めたディフェンス面の強化に力を入れる。近年得点力不足に泣く巨人も例外ではなく、3年ぶりの覇権奪回と、日本一奪取へ向けた1つのキーポイントに挙げられている。そんな一軍内野部門の強化を担当するのが、井端弘和内野守備走塁コーチである。
2000年以降の
中日黄金期(4度のリーグ優勝、1度の日本一)に、不動の遊撃手としてチームを支え、6年連続を含む7度のゴールデン・グラブ賞に輝いた名手。巨人移籍後も確かな技術で貢献しつつ、
坂本勇人(現在使用するグラブは井端モデルをベースとしている)をはじめ同じ内野手たちに多くの影響を与えた。一昨年オフに盟友・高橋由伸監督の現役引退、監督就任と同時に、自身も引退、現在のポストに。グラブをノックバットに持ちかえて、自身の技術を伝えようと心血を注いでいる。
毎試合前、リズミカルに打球を生み出すそのノックバットが、「絶妙なバランス」と同僚コーチ陣から好評だ。ミズノ社製の物で、名手であり、通算1912安打を放った巧打者ならではのこだわりが、ふんだんに散りばめられている。
「当然、コーチは初めてだったんですが、なんとなく・・・
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