プロフェッショナルたちのこだわりのギアに迫る連載“道具の流儀”。第2回は西武の正右翼手・木村文紀のグラブだ。プロ入り時は投手だった木村がチームに欠かせない高い守備力を誇る外野手へと成長していく過程には、自らにフィットしたグラブはなくてはならないものだった。 取材・文=小林光男、写真=榎本郁也 2012年9月、木村文紀は一大決心をした。投手から外野手への転向を果たしたのだ。07年、埼玉栄高から高校生ドラフト1巡目で西武に入団。しかし、投手として一軍定着は叶わず。高い身体能力に定評があったため、外野手としてプロ野球で生き残りに懸ける道を選んだ。
新ポジションへの挑戦で当然、グラブも変わる。高校時代も外野を守ることはあったが、メーンの練習は投手。外野手として素人も同然だった木村がまずグラブに求めたのは“安心感”だった。
「捕るための安心感が欲しかったんですよね。ですから通常よりも長く、大きめでグラブを作ってもらいました。それと、親指と小指の部分を硬めにしましたね。例えばギリギリのプレーで、打球がグラブの先に当たっても勢いに負けないようにしたいので。それと軽過ぎるとゴロに対してもグラブがはじかれそうな気がするので、重めにしています。ほかの選手が僕のグラブをはめたら『重っ』とびっくりしますから(笑)。でも、僕は全然気になりません」
外野手に転向したころ、
嶋重宣(現西武二軍打撃兼外野守備・走塁コーチ)からグラブに関して・・・
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