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道具の流儀 2019

阪神・近本光司 ヤナセのバット 全体的に細く、重心が先にある体に巻き付き感が出るバット

 

今季、阪神のドラフト1位として入団し、トラの一番打者として活躍をしている近本光司。俊足を生かしたリーグ3位の盗塁が脚光を浴びているが、100試合で116安打の打撃にも定評がある。今回はその安打を量産しているバットに注目だ。(成績は8月4日現在)
取材・文=椎屋博幸、写真=佐藤真一、BBM


 朝目覚めたとき、毎日同じ体調や感覚を維持することは難しい。バットを握ったときも同じだと近本は考えている。その日の体調により、同じ重量のバットが重く感じたり、軽く感じたりする。

 木製バット専門メーカー「ヤナセ」に毎回10本のバットを注文する。そのバット1本1本には丁寧にビニールが掛けられ、そこにそれぞれの重さがマジックで書かれている。長さはすべて85センチだが、重さは890グラムから900グラム台までと1本たりとも同じ重さはない。

「ヤナセさんにはおこがましいですが『打てるバットをください』と言っています。実際に僕の中でのレギュラーバットは10本中2本ぐらいあります。試合前にその1本1本と会話をするんです。その日の自分の体調に合ったバットはどれなのか、と。その中で自分の中でのベストバットを選んでいきます」

 その日の体調に合わせながらバットを選択するのだが、毎試合バットを替えるということではない。ヒットが続いたときはずっと同じバットを使い続け、折れるまで使用することが基本。ただ・・・

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