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道具の流儀 2022

オリックス・宮城大弥 ミズノのグラブ 長いシーズンを考えて改良 進化と挑戦の思いも表わす

 

苦い経験は、さらなる飛躍への糧だ。高卒2年目の昨季、13勝を挙げて新人王に輝いた左腕だが後半戦は白星を重ねられず、もがき苦しんだ。課題の1つに挙げる投球フォームは、グラブも無関係ではない。進化を期す20歳のグラブは先輩エースへの対抗心もにじみ出る。
取材・文=鶴田成秀 写真=佐藤真一

今季は黒とアイボリーの2色を採用。そこに秘めた思いは……


 野球を始めた4歳のとき、父親に買ってもらった“最初のグラブ”のエピソードも笑って振り返る。初めてのグラブはビニール製のものだったが、少しでも使いやすくしようと思った父は、周囲から聞き得た知識でグラブを電子レンジで温め、柔らかくしようとするも……。ビニール製のグラブは溶けてなくなった。「魔法だね」と、大弥少年は笑いに変えて父を思いやったという。

「今の子どもたちは、そういうことがないように!」と20歳になった左腕は笑って当時を懐かしむ。幼少期からグラブの大事さを感じてきた男だからこそ、プロに入った今も「できるだけ一つのグラブを1シーズン使い切れるように」の思いを持ち続け、昨オフにミズノを訪れたことも、その思いを強くした。

「職人さんたちが・・・

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