週刊ベースボールONLINE

豊田泰光のオレが許さん!

ホームランを打つ意味と意義

 

 日本ハムの木佐貫が5月20日の巨人戦[札幌ドーム]で古巣相手に勝ち星を挙げました。これで12球団から勝ち星をマークした12人目の投手になりました。こういう記録はいいよねえ。プロとしての味わいが深いもの。

 まあ、交流戦があるので、ここまで56勝の投手でも、達成できちゃうのですが、「こういうことをやれる投手になったか」とオレはうれしかった。

 巨人に入団した03年当時、オレは木佐貫の顔が打たれるたびに眉が下がって情けない顔になっていくのを見て「ヒゲを生やして、もっと強そうに見せろ!」とここで書いた記憶があります。巨人はヒゲ禁止で(つまらんことにこだわるねえ)、不可能であることは分かっていたのですが、木佐貫には、プロらしい顔になってほしいからそう書いたのです。

 野球選手なら、何かファンの記憶に残ることをやってみせなくちゃあ。木佐貫は、ようやくそれをやってくれた。オレは、巨人戦で、それも、高校時代、夏の鹿児島県大会決勝で投げ負けた杉内に、今度は投げ勝っての12球団勝利というのは価値があると思うなあ。03年の新人王より、この日のピッチングの方がファンの記憶に残ると思うよ。

1年目の27本はルーキーだから打てた。とにかく打つのが楽しかった


 プロの「価値」とは不思議なものでねえ。本来、ホームランバッターでないオレが、68年の2試合連続代打サヨナラホームランで、いつまでも「あのときのホームランは」と言ってもらえるのですから。

 今週号は、ホームランの大特集だそうですが、そう言えば・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

豊田泰光の“オレが許さん”

豊田泰光の“オレが許さん”

レジェンド・豊田泰光氏が球界を斬る!

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング