週刊ベースボールONLINE

2番手の座を勝ち取ったシーサー

伊志嶺忠 捕手 #48

 

 あの時とは違う開幕の重み。伊志嶺忠は、それを感じ取っている。プロ2年目シーズンの2009年に続き、自身2度目の開幕一軍。当時をこう振り返った。「2年目のときは3人制だったので。嶋さん、藤井さんといて、僕はずっと3番目という感じ。でも、今回は2人。一軍に入ることができて良かったです」

 春の久米島キャンプは二軍で過ごした。昨年、自己最多の33試合に出場し、嶋に次ぐ2番手捕手の座を手に入れたかに見えたが、昨秋の倉敷キャンプで、右足腓骨(ひこつ)を疲労骨折。途中離脱を余儀なくされた。秋を乗り切った面々が春の一軍メンバーという原則のため、二軍スタートに。

 さらにオフには中日から小山桂が加入。期待のルーキー・岡島と、秋季キャンプを乗り切った小関、それに正捕手・嶋の4人が一軍キャンプ。昨年つかんだポジションは、振り出しに戻った。「とにかくケガを治すことを考えて、1日でも早く一軍へと思っていたけど、まさか開幕までに……とは思っていなかった」

 焦る気持ちを抑え、地道にやるべきことをやった結果、久米島から金武町に拠点を移した2月中旬に一軍に合流。そこから岡島、小山桂との争いを勝ち抜き、見事に2番手捕手の座をつかんだ。

 性格は優しく、表情も豊か。沖縄出身ということも踏まえ「シーサー」というニックネームで星野監督からもイジられる存在。だが、ここからは、絶対的正捕手・嶋との一騎打ちを挑みたいところ。「自分はバッティングと、肩を試合でアピールしたい。出るチャンスがあればですけどね」

 控えめな一面ものぞかせたが、内に秘める闘志は、強い。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング