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加賀繁投手 #16

母校の後輩たちに刺激を受けて

 



 プロ4年目右腕がもがき苦しんでいる。6月8日のオリックス戦(横浜)で李大浩に逆転2ランを浴びるなど、思うように調子が上がってこない。ファームも含めた総力戦を強いられている投手陣の中で、加賀繁は必死の日々を過ごしている。

 昨季は自己最多の61試合に登板する大車輪の活躍で、投手陣の屋台骨を支えた。今季も中継ぎ投手で開幕から出場選手登録を外れずに第一線で投げ続けているのは、今季から加入したソーサと加賀の2人だけ。周囲の期待は痛いほど感じている。「配球について(首脳陣から)言われたりもする。首を振ったりはしていますけれど」と苦悩の表情を浮かべる。

 15日の西武戦(西武ドーム)ではリードした場面で登板し、3連続四死球で満塁のピンチを招いた。だが最後は併殺で切り抜けて無失点で相手の反撃を断つなど球威は戻りつつあるように映るが、中畑監督は「あいつの心が戻っていない」と自信回復を願っている。

 悩める右腕にうれしいニュースが飛び込んできた。母校の上武大が全日本大学選手権で初の日本一に輝いた。関甲新学生リーグ代表の優勝も初という快挙。後輩たちの活躍に、刺激を受けないはずはない。「自分たちも日本一を目標にしていたので、後輩がかなえてくれてうれしい」。真冬の凍える寒さの中、ひたすら走り込んだ鍛錬の日々がよみがえる。地方の大学として、有名大学には負けないという反骨心を思い出した。

 チームメートの菊地、井納も上武大の出身だ。「自分たち3人もしっかりやって、後輩たちがプロに入ってもやっていけると思えるように頑張る」。迷いを断ち切るように、言葉に力を込めた。
オーロラビジョン

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週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

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