怖い物知らずの新人左腕がプロの厳しさを実感し始めた。「大学時代と比べプロは甘い球を逃さない。メンタル面を含めもっと成長しなければいけない」。ドラフト1位ルーキー・
松葉貴大は前半戦を振り返り反省を口にした。
春季キャンプ、開幕こそ二軍スタート。だが、5月1日の
ロッテ戦(京セラドーム)で出番は回ってきた。1カ月遅れの開幕となったプロ初登板。「緊張して頭が真っ白になった」と苦笑いを浮かべたが首位を走るロッテ打線を相手に6回3安打無失点の好投を見せた。白星こそ手にすることはなかったが上々のデビュー戦だった。
5月8日の
ソフトバンク戦(京セラドーム)で初勝利を挙げると、5月14日は甲子園で
阪神から白星。「思い切って投げられた。阪神ファンの歓声も楽しかった」と堂々と言い切った。5回1/3を6安打2失点。幼いころから大の阪神ファンの松葉はウイニングボールを片手に満面の笑みを見せた。
その後は無傷の3連勝をマークし一躍、新人王候補にも名を連ねた。だが、そこからプロの厳しさを味わう。03年の
加藤大輔(現
楽天)以来、球団史上5人目のルーキー4連勝を狙った5月29日の
ヤクルト戦(神宮)で初黒星。そこから4試合勝ち星なしの3連敗と悩み苦しんだ。「大胆に攻めることができなかった。ピンチの場面でも打たれるかも、と弱気になってしまった」と自らを分析した。
勝ち星に恵まれない松葉に森脇監督は「投げる度に少しずつ良くなってきている。成長してほしい」と期待を込める。先発投手不足は依然としてチームの課題だ。1年目の目標を「最低でも10勝」と公言した松葉。後半戦での巻き返しを狙う。