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上本崇司 内野手 #0

シ烈な内野手争いも一軍経験し手応え

 



 カープのルーキーで唯一、一軍デビューを果たしているのが、ドラフト3位の上本崇司だ。新人は育成枠を除くと、5人すべてが野手。春季キャンプでは下水流が即戦力として評価を上げたが、右太もも肉離れで二軍スタート。本命が倒れ、一軍一番乗りを勝ち取ったのは、内野のユーティリティープレーヤーだった。

 デビュー戦は、5月7日のDeNA戦(マツダ広島)。7回一死から安部の代打で起用された。5球連続ファウルなどで粘るも、最後はDeNA・大原の前に中飛に倒れた。その後も守備固めなどで出場したが、同14日に二軍落ち。6月1日に再昇格を果たし、交流戦・ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で二番・二塁でスタメン起用されるも、沢村賞右腕・攝津の前に4打数無安打に終わった。「緊張は特にしなかったけど、甘い球が全然来なかった」と、一流の力を思い知らされた。7月4日現在、一軍戦10試合に出場し、12打数無安打。6月28日に再び出場選手登録を抹消され、一軍の壁にぶつかっているのは確かだ。

 だが、周囲の評価は高い。広陵高時代から、阪神・上本の実弟として注目を集めてきた。明大では通算打率.205と、数字だけ見れば平凡な成績に終わった。だが、選球眼が良く出塁率も高い。身体能力を生かした守備範囲の広さに定評があり、球界関係者も「1年目を比較すれば、弟の方が上かもしれない」という声もある。

 これまでは常に兄と比較され続けてきたが、今の競争相手は菊池、安部といった同世代の内野陣だ。二軍では打率.283と、課題の打撃でも安定感を見せ始めている。広島野球の「体現者」となる可能性は十分に秘めている。
オーロラビジョン

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