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田中将大 投手 #18

無敵の連勝ロードの先に

 



 自分の投球をたたえるように、田中将大が最後に吠えた。7月9日の日本ハム戦(東京ドーム)。最後の打者・中田翔を遊ゴロに仕留め、今季2度目の完封勝利となる今季12勝目を締めくくった。年に1度の「楽天グループデー お客様感謝祭」と題した東京ドームでの主催試合。球団史上最多の4万3683人が詰めかける中、お立ち台で「ジャイアンツ・阿部さんの言葉を借りて。みなさん、最高で〜す!」と声高に叫び、余韻に浸った。

 文句のつけようのない活躍だ。開幕から無傷の12連勝。6月9日の巨人戦からの連続無失点も40イニングにまで伸び、1958年の稲尾和久(西鉄)を抜いてパ・リーグ歴代4位に浮上。「いつもゼロに抑えるために投げている。その中で(連続無失点記録も)みなさんに楽しんでもらえたら」。当然の結果と言わんばかりに、スコアボードに「0」を並べ続けている。

 防御率も両リーグトップの1.24(7月11日現在)。「状態は良くない」という言葉に反比例して、成績を上げている。「去年の悪かったときとフォームは変わっていない。でも、思いどおりのフォームで投げても勝てるわけではないですから。どうやったら抑えられるか。試合中に変えたりもしていますし。いろんな投げ方をしてますよ」。勝つための投球を追求し、試行錯誤した結果だ。

 チームも7月4日の首位攻防のロッテ戦に勝利し、6月以降では球団史上初めて首位に立ち、その座を守り続けている。「夏場からが本当の勝負の時期。持続して飛躍させていけるように僕自身も頑張っていきたい」とエース右腕。悲願の優勝まで、後半戦もこのまま白星だけを積み重ねていく。
オーロラビジョン

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