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阿部慎之助 捕手 #10

“2年連続”へ引っ張る頼りの主将

 



 右ワキ腹を痛め、5試合ぶりに先発に復帰した阿部慎之助が、7月9日のヤクルト戦(山形)で21号ソロ(翌日は22号2ラン)。主砲は「出る以上は問題ない」と故障の影響を感じさせず、早速存在感を見せつけた。

 日本一を達成した昨季と同じく、四番&捕手&主将と今季も3つの重責を担う。文字どおり大黒柱として、開幕から首位を走るチームを引っ張ってきた。9日までに打率.296で、22本塁打、61打点はともにチームトップだ。

 中身も濃い。今季1号は4月7日の中日戦(東京ドーム)。3対4の5回二死二、三塁で右中間席に逆転3ランを運び「自分の中ですっきりした」と開幕8試合目での一発に笑顔を見せた。その逆転打を皮切りに、試合の行方を左右する一打を数多く放ってきた。

 節目の記録もマークしてきた。4月7日の中日戦では、その日4安打目の7回の右前打で通算1500安打。ベテランは「鼓動が聞こえるくらい緊張した」とプロ初出場した時のことを懐かしんだ。通算2000安打も見えてきたが

「まだまだ先は長い。毎試合打てるようにしたい」と気持ちを引き締める。長距離砲としての勲章も一つ加わった。4月21日の広島戦(マツダ広島)。2対1の7回に5号2ランを放ち、通算300本塁打を達成。捕手では野村克也田淵幸一に次ぐ大台到達。左腕・中村恭の低めのボール気味のスライダーにも右肩を開かず、しっかりととらえた。高い技術が詰まったメモリアルにも「通過点だと思って、今後も一本一本積み重ねていきたい」とさらに上を見た。

 阪神とのマッチレースを制し、狙うは2年連続の日本一。頼りの主将が引っ張っていく。
オーロラビジョン

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