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平野佳寿 投手 #16

“8回の男”から球界を代表するストッパーに

 



 イニングまたぎ、連投。今や球界を代表するストッパーとなった平野佳寿は涼しい顔でマウンドに立ち続ける。昨年までは守護神へつなげる“8回の男”としてチームを救ってきた。今季は一段とプレッシャーがかかる場面での登板が多いが「気持ちはいつも同じ。打者を一人ひとり打ち取ることは変わりないですから」と淡々と口にする。

 相変わらずの安定感を見せつけている。負け数こそ「4」と昨季の数字と並ぶも防御率は1点台をマーク。150キロの直球と落差の大きいフォークを駆使し打者を打ち取っていく。さらに昨年まで3年連続60試合以上登板とタフネスぶりを発揮。平野佳の理想はただ一つ。「プロ野球選手としてまずはケガをしないこと。打たれたり、不調だったりしても言い訳にもしたくない」と、自身の体のケアを怠ることはない。

 誰もがその実力を認める。オールスターには4年連続5度目の出場。先発、中継ぎ、抑えとすべての部門で球宴のマウンドに立った。今年は2年連続してファン投票での選出に「去年は中継ぎ投手で、今年は抑え投手で選ばれて誇りに思う。相手打者とは直球で勝負したいと思います」と真っ向勝負を宣言した。西本投手兼バッテリーコーチも「疲れていると思うが、本当によく頑張ってくれている。迷うことなく指名できる、リーグを代表する投手」と、ここまでの活躍ぶりに脱帽した。

 だが、混戦パ・リーグの中でチームは最下位で前半戦を終えた。「まだ優勝を経験したことがないので。投げた試合はすべて抑える。上を目指すチームの力は十分にある」。このままでは終われない。目指すところはただ一つだ。
オーロラビジョン

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