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藤井康雄 コーチ #71

助っ人の不振に続く苦悩

 



 タカの打撃コーチにとっては、もどかしいシーズンだ。開幕前に優勝候補の筆頭に挙げられながら、後半戦もBクラスに低迷。最下位争いも演じるなど波に乗れない要因の中には投手陣の故障や不振もあるが、ペーニャ、ラヘア両外国人の大不振が最大の要因と言っても過言ではない。

 サヨナラ負けを喫した6月29日のロッテ戦(QVCマリン)。普段は「辛口」を控える藤井康雄打撃コーチが「外国人がブレーキになっている」と苦しい胸の内を吐露した。七番で先発出場したラヘアが、好機で見逃し三振に倒れるなど2打数無安打。終盤には、そのラヘアの代打として登場したペーニャも空振り三振に倒れた。6月末からは両助っ人がともに控えに回る試合も数試合続いた。

 昨季チームトップの21本塁打を放ったペーニャは開幕戦で四番を務めたが、極度の不振で開幕5戦目からはラヘアにその座を譲った。そのラヘアも6試合でわずか3打点。開幕11戦目からは松田が四番に入るなど、開幕直後から四番を固定できない状態が続いた。

 一時打順を下げた松田が5月28日の巨人戦(東京ドーム)で再び四番に入ったところから打線が機能し始めた。「内川-松田-長谷川」の和製クリーンアップは、交流戦打率ランキング1〜3位を独占。交流戦優勝に大きく貢献した。

 それでも波に乗り切れない現状に、「みんな責任感が強いから、自分がどうにかしなきゃと固くなってしまう」と藤井コーチ。中軸が打たないと点を奪えない状況が中軸3人に重圧をかけているだけに、その後を打つラヘアにかかる期待は大きい。助っ人のバットが火を噴くとき、藤井コーチも苦悩から解放されるに違いない。
オーロラビジョン

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