つなぎの意識は徹底されている。開幕から小粒と形容された打線。打順編成も試行錯誤だったが、7月から「連鎖」と「しぶとさ」が生まれている。同時にチームも上昇気流に乗ってきた。
中島がメジャー移籍し中村が故障と、主砲2人を欠いて開幕を迎えた今季。大きな攻撃力ダウンは否めないと思われたが、一番・へルマン、四番・浅村、五番・秋山に固定してからは、がぜん打線が機能し始めた。「3人が今年の打線でカギを握っていた。打順もはまってきた」と
安部理打撃コーチ。機動力を加えた「つなぐ野球」が、後半戦はさらに光っている。
当初は「浅村と秋山の打順配置を並べるのではなく離すことを優先させた」という。この2人がチャンスメークもできてポイントゲッターにもなると判断したからだった。しかし、開幕後は機能せず、5月、一番と二番で並べてみたが結果が出ないまま。四番も固定できず交流戦を終えた。打線が勢いづくスタート地点は、一番へルマン、四番・浅村、五番・秋山で初めて臨んだ6月30日の
日本ハム戦(札幌ドーム)だった。
今季は主に五番を打っていたヘルマンを一番に上げて固定した。「ここからウチらしい攻撃の流れができた」。7月は30日現在、へルマンは月間打率.386で出塁率は驚異の.500。浅村は打率.405、6本塁打、20打点で出塁率.476。秋山も打率.360、出塁率410。栗山も打率.296、出塁率.414。打線のキーマンたちが適材適所の打順で、つなぎの意識を実践し首位争いへ導いている。「あとは六番以下。期待したいのは大崎だね」。現戦力に中村と片岡が合流すれば、
西武打線のパワー&機動力に拍車が掛かる。