ここからが踏ん張りどころになる。チーフ打撃コーチである
水谷実雄も「夏場にきてへばってきているのは分かるが、それぞれが上げていくしかない」と奮起を促している。
前半戦の終了時に.261だったチーム打率は、後半戦突入後は降下していった。福留はリハビリ中、西岡が左ヒザ痛で登録抹消とレギュラー陣の緊急事態に、ここにきてもオーダーは固定されない。「やっぱりクリーンアップだろうな。
マートンを中心にした打線の軸に期待したい。打つことを信じるしかない」
前半戦はピッチャーのやり繰りがはまって勝ち星を重ねてきた。その投手陣に疲労の色が出てきた夏場は猛虎打線の打力でカバーしたいところだ。水谷コーチは鳥谷、マートン、
新井貴浩の主軸に期待を込める。
阪神二軍コーチだった06年以来の現場復帰となった。
広島、阪急、近鉄、ダイエー、
中日でコーチをした実績から「速い球を右打者は左、左打者は右へ、真っすぐに負けない打撃をすることが大切」と選手を育成している。
今春キャンプから右肩痛からの復調と合わせて、「力まず同じスイングができるように」とマンツーマン指導を続けた新井貴も今季は打力がアップした。
新井良太、
大和、今成らの若手も“量”を重視する水谷イズムのもとで成長が見込まれている。
水谷コーチは
巨人とV争いをするここからのキーマンにマートンの名前を挙げる。「前半戦からずっとマートンが引っ張ってきたわけだから。それにほかのメンバーも頑張らんとあかん」。数多くの名選手を育てた男の手腕でチームは息を吹き返す。