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水谷実雄 コーチ70

夏場だからこそ量を増やし苦境を乗り越える

 



 ここからが踏ん張りどころになる。チーフ打撃コーチである水谷実雄も「夏場にきてへばってきているのは分かるが、それぞれが上げていくしかない」と奮起を促している。

 前半戦の終了時に.261だったチーム打率は、後半戦突入後は降下していった。福留はリハビリ中、西岡が左ヒザ痛で登録抹消とレギュラー陣の緊急事態に、ここにきてもオーダーは固定されない。「やっぱりクリーンアップだろうな。マートンを中心にした打線の軸に期待したい。打つことを信じるしかない」

 前半戦はピッチャーのやり繰りがはまって勝ち星を重ねてきた。その投手陣に疲労の色が出てきた夏場は猛虎打線の打力でカバーしたいところだ。水谷コーチは鳥谷、マートン、新井貴浩の主軸に期待を込める。

 阪神二軍コーチだった06年以来の現場復帰となった。広島、阪急、近鉄、ダイエー、中日でコーチをした実績から「速い球を右打者は左、左打者は右へ、真っすぐに負けない打撃をすることが大切」と選手を育成している。

 今春キャンプから右肩痛からの復調と合わせて、「力まず同じスイングができるように」とマンツーマン指導を続けた新井貴も今季は打力がアップした。新井良太大和、今成らの若手も“量”を重視する水谷イズムのもとで成長が見込まれている。

 水谷コーチは巨人とV争いをするここからのキーマンにマートンの名前を挙げる。「前半戦からずっとマートンが引っ張ってきたわけだから。それにほかのメンバーも頑張らんとあかん」。数多くの名選手を育てた男の手腕でチームは息を吹き返す。
オーロラビジョン

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