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相川亮二 捕手 #2

縁の下の力持ちに徹する

 



 自分を決して前に出さない、まさに縁の下の力持ちだ。プロ19年目の相川亮二はWBCに選出されたときも、「自分は(巨人の)阿部君のサポート役ですから」とフォア・ザ・チームに徹した。

 シーズンが始まっても、その姿勢は変わらない。WBCに出場したことによる調整の遅れなどで、開幕スタメンマスクは中村に譲ったが、投手陣からの信頼は厚い。

 今季は42試合に出場し、打率.274、4本塁打、20打点をマークしている(8月15日現在)。4月6日のDeNA戦(神宮)ではブランコと本塁で交錯。左肩鎖関節の亜脱臼で約1カ月半戦列を離れたが、負傷した試合以来のスタメンマスクとなった5月28日のオリックス戦(神宮)では3安打を放ち、通算1000安打を達成した。だが、チームが敗戦したこともあり、「特に感じることもないし、勝つためにやっているポジションなので」とここでも控えめだった。

 五番で起用された6月25日のDeNA戦(神宮)では、同点の3回にタイムリー二塁打で勝ち越し。この日は二塁打2本を放つなど、チームの勝利に貢献した。7月28日の広島戦(マツダ広島)では2回無死一塁で、中堅フェンスを直撃する適時二塁打。第2打席でも一死一塁から左翼線へ勝ち越しの二塁打を決めるなど、打撃での活躍も目立っている。

 昨季同様、今季は中村との併用が続いている。「結果が全てです。中村が出ている試合は勝っていますから。でも、自分が使ってもらうときには打撃だけではなく、リードもすべての面において、やらなければならない。実力の世界ですから」。37歳のベテランは静かな闘志を胸に秘めた。
オーロラビジョン

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