懸命にホームベースを守り抜こうとした。8月17日の
西武戦(西武ドーム)。
伊志嶺忠は、今季初めてスタメンマスクをかぶった。2対2の同点で迎えた9回二死一、二塁。代打・大崎の右前打で二走・浅村が本塁突入。激しいタックルを全身で受け止めたが、判定はセーフ。サヨナラ負け。「首位にいるチームに対しては、相手も攻めてくる。止めたかったんですが……」と悔しさをかみ締めた。
3度目の激突だった。初回には、一死一、三塁から一塁走者・浅村が二盗し、送球が乱れる間に三塁走者・栗山が本塁へ。タイミングは微妙だったが、ミットからボールがこぼれた。しかし、サヨナラ直前の9回一死一塁の場面では、浅村の左中間二塁打で枡田、松井とつないだ返球を好ブロックで生還を防いだ。頑丈な肉体で、本塁を死守した。
開幕こそ一軍で迎えたが、2年目・岡島の台頭もあり、5月以降は二軍生活が続いた。その岡島が7月から外野に挑戦したことで、再びめぐってきた2番手捕手の座。それでも、チームには嶋という正捕手がいる。なかなか出場機会には恵まれないが「練習から試合のつもりでやっている。ベンチでも、相手の傾向とかを見て、いつ出ることになってもいいように準備はしています」。入念に、少ない出場に備えている。
星野監督からは、出身地の沖縄にちなんで「シーサー」の愛称で呼ばれる。心身ともに過酷な捕手というポジション。常に不測の事態に備えることが求められる。「一軍に戻ってきたときは首位だった。雰囲気も全然違ったけど、その緊張感の中でやっていくだけです」。優勝を目指す
楽天の“守り神”となる。