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長谷川勇也 外野手 #24

淡々とヒット重ねる鷹の安打製造機

 



 9月突入早々、安打数の自己最多記録を更新した。3日の日本ハム戦(東京ドーム)は1点を追う2回無死一塁、木佐貫からバックスクリーン左へ15号2ラン。6回にも左前打してこの日2安打、今季160安打とした。2009年に記録した159本を超えたが、目標がそこにあるわけではない。

「ヒットを打つのが仕事だし、いいモチベーションにもなるので」。見据えるのは球団初のシーズン200安打。それを証明するように、翌4日も打ちまくった。第1打席の中前打を皮切りに4打席連続安打。三振を挟んで延長11回には右前打で、プロ7年目で初めての1試合5安打の固め打ちだ。

 陽の当たる場所ばかり歩いてきたわけではない。プロ1年目の07年は春季キャンプで一時A組に抜てきされるなど期待されながら、左大腿骨頚部の疲労骨折で長いリハビリを要した。08年には試合前のバント練習中に左手小指を骨折し離脱。09年に初めて規定打席に到達し、リーグ4位の打率.312をマークした。立場は固めていったが、春先にエンジンのかかりが遅く、タイトルを争うような傑出した成績を残すには至らなかった。

 今季は2月のオープン戦の試合前練習中、外野でフリー打撃の打球を額の右側に受け、前頭部陥没骨折。それでも開幕に間に合わせ、苦手の春先から好調を維持してきた。打順こそチーム事情で変化してきたが、不動のレギュラー。フルイニング出場も継続中だ。過去にフルイニング出場での首位打者は、69年王(巨)、95年イチロー(オ)、01年松井(巨)、10年西岡(ロ)の4人。高まる期待の一方で「やることは変わらない」と淡々とし続けるのも、コンスタントに力を発揮する秘訣でもある。
オーロラビジョン

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