バレンティンは、三冠王を狙える位置にいる。104試合で打率.340、52本塁打、111打点で、本塁打、打率ともにトップで打点も2位(9月4日現在)。来日3年目で初のトリプルクラウンの期待もかかるが、「今は考えないようにしている。1打席1打席集中して、今の好調を長く維持したい」と冷静だ。
今季はオランダ代表として出場したWBCで左内転筋の肉離れを発症。開幕から12試合を欠場したが、ものすごい勢いで本塁打を量産している。4月29日の
DeNA戦(横浜)では場外弾を含む1試合3アーチを決めると、6月8日の
日本ハム戦(神宮)から同12日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)にかけては、史上18人目の4打数連続弾。球団では03年の
古田敦也以来の2人目の快挙となった。
今季コンパクトなスイングを心掛けている。飛ぶボールへの変更も追い風となった。力を入れなくても打球が飛ぶと分かっており、リラックスして打席に立てている。また、ボール球を振らないことを強く意識しており、それらが高打率にもつながっている。
8月になると本塁打の量産体勢に入った。21日の
巨人戦(神宮)では球団のシーズン通算本塁打タイ記録となる44号。翌22日の同カードでも2発のアーチをかけ、すぐさま球団新記録を打ち立てた。同30日のDeNA戦(神宮)では52号ソロを放ち、プロ野球記録の月間18本塁打と勢いは止まらなかった。1964年の
王貞治(巨人)らが持つシーズン最多の55号更新についても「プレッシャーはない。達成できる自信はある」と2年連続本塁打王は言い切る。シーズンが終わったときの最終的な数字が楽しみだ。