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T.ブランコ 内野手 #42

まずはチームのCS進出へ

 



 自身4年ぶりとなる打点王のタイトルを、ハイレベルな戦いで争っている。トニ・ブランコは打点王に輝いた2009年の110打点を早々に上回り、ヤクルトバレンティンに迫られながらも両リーグトップの数字を残している(9月6日現在)。蓄積された疲労による背中の張りなどに苦しみながらも、チームに欠かせない存在として打線をけん引している。

 シーズン開幕早々のころは、本塁打といえばブランコだった。周囲のどよめきを誘うスイングでアーチを量産し、シーズン55本塁打のプロ野球記録を更新する勢いだった。だが相手投手の死球もためらわない厳しい内角攻めにあい、夏場に入ってペースは鈍った。しかし強引に一発を狙わず、チャンスでは確実に走者をかえす打撃を心掛けることで打点の量産ペースは鈍らなかった。右方向にもうまく打球を運び、自身初の打率3割超えはほぼ確実な状況だ。さらには首位打者と最多安打のタイトルも十分狙える位置にいる。

 だがブランコは「いまはチームのクライマックスシリーズ(CS)進出のことしか考えられない。一試合一試合を大事にしたい」と頼もしい言葉を口にする。チームは球団初のCS進出へ向け、背水の戦いを続けている。四番打者として、個人タイトルよりも目の前の勝利に全力を注ぐ日々を過ごしている。

 9月に入り先発オーダーから名前が外れる試合があるなど、体は満身創痍だ。だが「悪い日もあればいい日もある。チーム一丸となって戦っていきたい」と語る。新天地で迎えた来日5年目のシーズン。悲願のCS出場を達成したとき、攻撃タイトルもブランコの手中に収まっていることだろう。
オーロラビジョン

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