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西川遥輝 内野手 #26

驚異の盗塁成功率を誇る新スピードスター

 



 次代を担うスピードスターとしての魅力あふれる。3年目の西川遥輝。開幕からレギュラーに定着し、故障で一時離脱しながらも終盤戦でリードオフマンでの抜てきが続いている。中田が骨折で戦列から離れたための措置でもあるが、首脳陣の才能への大きな期待の表れが込められている。「若い力で奮起させていかないといけない」と誓った今季、必死のラストスパート中だ。

 驚異の数字がポテンシャルを証明している。9月17日現在で20盗塁をマーク。盗塁死はわずかに1で成功率.952を誇る。一軍に初昇格した昨季は7盗塁で失敗はゼロ。球団史上初の盗塁王へとひた走る陽以上とも言われる、脚力の高さは折り紙付きだ。速さだけではなく、走塁技術も高く、機動力野球を戦略の1つに掲げる栗山監督からの期待も大きい。

 もう1つの資質も兼ね備えている。入団時から定評があったのが、抜群の選球眼。二軍での育成段階から、指導者たちを「教えても、できるものではない」と、うならせてきた。同日現在で出塁率.374。規定打席に到達していないため単純比較はできないが、従来の一番の陽を上回る。次世代の得点源としての力をアピールしている。来季以降の斬り込み隊長候補への適性は十分ある。

 6月に左前十字じん帯付着部剥離骨折。完治までに約2カ月のリハビリを経て、飛躍のシーズンを再び突き進んでいる。快足にセンスあふれる打撃。レギュラー完全奪取へ残された課題は守備。開幕当初は二塁手で起用も不安定で、故障から復帰後はアマ時代も未経験だった一塁を務めている。甘いルックスもあり、クリアした先に新スターとしての道も見えてくる。
オーロラビジョン

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