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伊志嶺翔大 外野手 #5

外野陣でしのぎを削る伸び盛り

 



 能力を最大限に発揮した場面だった。9月1日の日本ハム戦(QVCマリン)。9回一死から里崎が中前打で出塁すると、代走で登場したのが伊志嶺翔大。続く岡田が犠打失敗で二死一塁となったが、相手バッテリーに警戒される中で二盗に成功。根元の左前打でサヨナラのホームを踏んだ。自慢の俊足で味方のミスを見事にカバーして、劇的な勝利に貢献した。

 プロ1年目は126試合に出場し、32盗塁を記録。昨年はイースタンで盗塁王のタイトルを手にした。今季も一軍の貴重な戦力として9月18日時点で90試合に出場し、8盗塁をマークしている。最近は主に代走や守備固めとして出番を与えられることが多い。清水外野守備・走塁コーチも「足は最大の武器。トップスピードに乗るのが早い。潜在能力が高く、これからがとても楽しみな選手」と期待を寄せている。

 ただ、8月25日の楽天戦(Kスタ宮城)では守備で致命的なミスを犯した。代走で途中出場し、右翼の守備に就いたが、9回に打球の処理を誤り、チームはサヨナラ負け。「そのまま消えてしまいたかった」。ショックは大きかったが、下を向いている暇はなかった。角中、岡田、荻野貴、清田や加藤ら、俊足自慢の外野手がしのぎを削っている。そんな中で「盗塁や走塁では負けたくない。思い切りの良さが自分の強み」とレギュラー定着を目標に掲げているからだ。「ミスはしっかり反省をして、次に向かわないと。毎日が勉強なので」。ミスもサヨナラ勝ちの立役者になることも、すべてが将来へとつながる貴重な経験になっている。

 まだ3年目の25歳。背番号「5」を背負うスピードスターの可能性は無限大だ。
オーロラビジョン

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