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N.モーガン 外野手 #27

体を張ってファンを魅了

 



 来日時に口にした「野球はエンターテイメント」という言葉を、体を張って実践している。のナイジャー・モーガンは6月下旬に右翼から中堅にコンバートされた。チームには俊足自慢がそろうが、脚力を生かした守備での存在感は随一。新たな持ち場でところ狭しと走り回っている。

 シーズンの残り試合もわずかとなり、決して手を抜かない全力プレーの傷跡が体には残る。右足には死球や自打球を当てた痛みを抱え、決して万全な状態ではない。だが「自分でアイシングをしたりして、トレーナーが驚くほど回復が早い」と球団関係者が舌を巻くほど体のケアに余念がない。守備では必死に打球を追い、落下地点目がけて一目散に走り続けてきた。

 一番の武器はその気迫あふれるプレーだ。9月16日の中日戦(ナゴヤドーム)。1点リードの9回無死一塁で、和田の打球は左中間深くに飛んだ。抜ければ同点となりそうな大飛球に瞬時に反応し、全速力で追い掛けた。目の前にフェンスが迫っても決してスピードを緩めない。果敢にジャンプしてグラブに打球を収めたが、そのままフェンスに体を強く打ち付けた。その後は思わずその場に倒れ込むほどの衝撃を体に受けた。だが「打球が飛んでくるイメージは頭の中でできていた。右足は痛みがあったけれど、必死に追ったよ」と試合後は涼しい顔でファインプレーを振り返った。

 メジャー・リーグでは通算117盗塁をマークし、ナショナルズ時代の09年には42盗塁。三番を任されている日本では出塁しても後ろにブランコがいるため、盗塁は控えめだ。だが持ち前の脚力は守備で存分に発揮し、派手なプレーでファンを魅了する。
オーロラビジョン

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