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今江敏晃 内野手 #8

取り戻した打撃と信頼

 



 日本シリーズ最高殊勲選手に輝いたのが2010年。今江敏晃はシーズンでも、打率.331、77打点と活躍した。しかし11、12年と続く2年間は一転、打率、打点でともに大きく数字を下げた。

 今季も序盤は苦しんだが立て直し徐々に調子を上げていく。打率3割を超え、66打点(9月26日現在)をたたき出して、打線をけん引する。「いいときはある程度の数字は残る。ちょっと調子が悪くても、1本1本と(安打が)積み重ねられる」と振り返った。

 開幕当初は打率2割に届かず不振で低迷していた。悪い流れを変えたのが4月27日のソフトバンク戦(QVCマリン)。2安打3打点の活躍で勝利に貢献した。気持ちも吹っ切れここから次々と安打を重ねた。打順も中軸を任されるようになったが、5月15日の巨人戦(東京ドーム)でプロ12年目、レギュラーシーズン1096試合目で初めて四番を務めた。チームの浮沈を握る重責にも負けず頼もしい打撃で引っ張った。その活躍が認められ、オールスターにも7年ぶりに監督推薦で出場した。

 昨季終了後、今江は巻き返すために動いた。秋季キャンプで数多くバットを振り込んだ。オフの間も練習を休む期間を短くし、感覚を忘れないように打ち込んだ。「このままズルズルいったらこの世界にいられなくなる。いつもと同じことをしてもしょうがない」と必死に取り組んだ姿勢が実を結んだ。

 シーズンも大詰めを迎え、クライマックスシリーズに向けて各チームはしのぎを削る。打線の中心として期待を受ける今江は「とにかく勝負所で走者を返す。チャンスでよく回ってくるのでしっかり結果を出せるように準備をするだけ」と力強く語った。
オーロラビジョン

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週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

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