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上本博紀 内野手 #4

ここから始まる定位置奪取物語

 



 残りシーズンでアピールするのは上本博紀だ。「自分の力で何とかするしかない」。ケガから復帰したのは8月下旬。本来の二塁以外の三塁のポジションで起用されるなど、打順も含めて潜在能力を試されている。

 2月26日のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の強化試合(京セラドーム)で「一番・遊撃」で出場した6回、打球を追った際に左翼の伊藤隼と衝突。左足前距腓じん帯を痛めてリハビリを余儀なくされ開幕絶望となってしまった。

 5月には二軍本隊に加わってフリー、シート打撃、ノックを受けるまでに回復したが、再び違和感を覚える。結局は6月に左足関節内のクリーニング手術を受けてグラウンドから遠ざかっていった。昨季は和田監督がシーズン途中から重点起用し、打率.254、13盗塁の成績を残した。足を使える「一番」として、大和とのコンビが将来性を有望視されたが、その矢先のアクシデントだった。

 実戦復帰は8月14日の育成試合・大院大戦(鳴尾浜)。今シーズン初めて一軍に昇格した29日の巨人戦(東京ドーム)は「二番」でプロ初の三塁を、失策を犯しながらもこなした。9月1日の広島戦(甲子園)で今季初適時打と初盗塁を記録。3日のDeNA戦(横浜)では先発の三浦から今季1号本塁打も放った。

「気持ちを切り替えてやるしかない。状況に応じて最高のプレーをしなくてはいけないし、何年もゲームに出て初めてレギュラーですから」

 内野のユーティリティーのような役回りになっているが、ここから定位置奪取に向けてのチャージを続ける。
オーロラビジョン

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