プロ5年目の
八木亮祐は、年間を通じて初めて先発ローテションを守った。10月3日現在で5勝13敗、防御率は4.44。大きく負け越してはいるが、小川監督は「シーズンを通して、いい球を投げている」と評価している。
今季初登板となった3月31日の
阪神戦(神宮)では大型ルーキーの
藤浪晋太郎相手に7回6安打無失点で今季初勝利。得点圏に走者を背負っても、「強い気持ちでいった」と緩いカーブとキレのある直球で虎打線に的を絞らせなかった。だが、そこからが長かった。好投しても打線の援護に恵まれず勝てない日々が続く。2勝目を挙げたのは初勝利から3カ月経った7月2日の
DeNA戦(平塚)だった。勝利に見放されたうっぷんを晴らすかのような無四球での初完封劇に「やっと勝てた。ホッとしています」と笑顔を見せた。8月7日の
中日戦(ナゴヤドーム)からは自身3連勝を飾り、巻き返しを見せている。
「一軍は移動もたくさんありますし、1週間の調整やコンディション維持の難しさを感じた。イースタン・リーグでは移動距離も限られているので、全然違う」と初の経験を糧に、来季への飛躍を誓った左腕。課題は制球だけに、「大事なのはストライク先行。四球でムダな走者を出すと、大量失点につながってしまうのでそこは注意しないといけない。攻撃につなげるためにも、リズムも意識したい」と前を向いた。同学年のドラフト2位右腕のライアンこと小川が、大活躍を見せている。「マウンドでの振る舞いや投球を見ると感心する。本当に刺激になりますね。彼は遠いところに行ってしまっている感じですが、負けていられない」と意気込みを見せた。