先発ローテーションの一員として大きな期待を受けている。メジャー通算26勝の実績を誇る191センチの長身左腕・ナーブソンは、変化球を低めに集めて打たせて取る技巧派。ブリュワーズ時代には2010年から2年連続の2ケタ勝利も挙げた。「チェンジアップとカットボールが一番の武器」だ。カウントを整えるキレのあるカーブと制球力も持ち味。クイックモーションも得意としている。

　オープン戦初登板となった3月2日の巨人戦(東京ドーム)では4回を3安打無失点と上々の“デビュー”。ストライクゾーンの両サイドを丁寧に突きながら、緩急を駆使して二塁を踏ませなかった。「リズムと制球を意識した。カウントを悪くしても、打者を打ち取ることができた」と手応えを口にした。2度目の登板となった3月9日の広島戦(マツダ広島)では5回途中を8安打6失点。初回にセットポジションで静止せず、ボークを取られる場面もあったが

「原因は分かっているし、悪いときは悪いなりに抑えられるようにしないといけない」と反省。修正能力も高く、心配はなさそうだ。

　性格は「楽天家」だ。環境適応能力も高く、刺身をペロリとたいらげるなど日本、そしてチームメートに馴染んでいる。ランニングの際には、アンダーソックスを頭に巻いて汗よけにするなどユニーク。「ソックス代わりに」と関係者から「必勝ハチマキ」を贈られると、即座に頭に巻いて走りだし

「足が速くなった気がする!」とユーモアも忘れない。12月には婚約者のケリーさんと結婚予定だ。「日本に来ることは彼女にとって大きな決断となったはず。彼女のためにも頑張らないといけない」と気合が入っている。