虎の守護神はお任せだ。新ストッパーの
呉昇桓が順調な仕上がりを見せている。昨シーズンは久保(現
DeNA)の起用に踏み切ったが失敗。徐々にペースアップするピッチングは抑え不在だった不安材料を完全に払しょくするものだった。
あまり大口をたたくタイプではないが、オープン戦で結果を示す右腕は「韓国の方が寒い。マウンドも問題ないし、このまま調子を上げていきますよ」と手応えと自信をほのめかす。
3月5日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で1失点、甲子園デビューとなった8日の
日本ハム戦では9回の1イニングをゼロ封。和田監督も「高めの真っすぐはさすがと思わせる」と安堵の表情を浮かべた。
さらに呉昇桓にとって追い風なのは、違反投球の疑いのあった投球フォームに「OKサイン」が出たことだ。左足が2度地面につく形で2段モーションが審判団によって問題視されていた。これが不問となったことで、今後は逆に武器にもなってくる。
呉昇桓をチェックする他球団スコアラーは「タイミングが取りづらくなる」と説明するなど、独特なモーションは守護神にとって有利に働くはず。懸念された案件が解消されたことで、あとは開幕に向けて加速していくだけだ。
中西投手コーチも「もう少し球速もアップしてくるはず」という。韓国野球のサムスンで2度マークしたシーズン47セーブは韓国プロ野球記録となっている。日本では
中日・岩瀬、
阪神・藤川(現カブス)の46セーブが最多だが、呉昇桓は「確実にやっていきたい」とこれらを塗り替える可能性を秘めている。