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斎藤佑樹投手・春に『持ってる』男が大役で復活へ

 



 勝負の1年に「持っている」右腕がカムバック。右肩関節唇損傷から復活を期す斎藤佑樹の開幕先発ローテーション入りが濃厚になった。キャンプ序盤での実戦から順調に結果を残し、道を切り開いた。3月28日からの開幕カード3連戦のオリックス戦(札幌ドーム)の2戦目に先発する可能性が浮上している。いずれにしても、変則の「8人制」でスタートする先発陣の一角には入った。

 球春を飾る「実績」は十分にある。昨季は故障で棒に振ったが1、2年目に見せた強さは特筆すべきものがある。1年目の11年はプロ初登板の4月17日ロッテ戦(札幌ドーム)で初勝利。大舞台での強さを証明したのは翌12年。開幕投手に抜てきされ、3月30日西武戦(札幌ドーム)でプロ初完投勝利。4月20日オリックス戦(ほっと神戸)はプロ初完封で、リーグVへの起爆剤になった。

 盤石のデモで、晴れ舞台に立つ資格を得た。先発ローテ入りへの最終テストと目された3月18日のイースタン・リーグ西武戦(西武第2)で先発。6回を1失点で切り抜けた。キャンプ中から実戦7試合23回を6失点、防御率2.35にまとめた。「開幕ローテに選ばれるかは監督次第ですね」とやり切り、指揮官の判断に委ねるまで激しい争いの中で完全燃焼した。

 プロ入りしてから3、4月は7試合で5勝1敗、防御率2.06と安定した実績を持つ。高校時代から定評ある勝負どころでの強さを、戦うステージが変わっても数字で証明している。百戦錬磨の経験を持つだけに、今季も要所では期待される1人になりそうだ。「試合をつくれると展開も楽になる」と自分の役割を見据え、その時を待つ。斎藤が表舞台に帰ってくる。
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