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高井雄平 野手転向5年目の決意

 



 オープン戦9試合で打率.320、出塁率.455(3月20日現在)と好調をキープしているのが、12年目のシーズンを迎える雄平だ。昨季も開幕スタメンこそ逃したものの、出場するたびに安打を重ねた。3割に近い打率に加え、野手転向後の初本塁打も放つなど春先は絶好調。だが、4月17日の中日戦(神宮)で守備の際に右ヒザを痛め途中交代した。

 診断の結果は、右ヒザ前十字じん帯断裂。そのまま出場選手登録を抹消され、結局13試合の出場に終わった。シュアな打撃で外野のレギュラーを獲得したかに見えた矢先の出来事に、本人もファンも落胆した。

 あれから約1年。地道なリハビリを続けてきた男は、「今年こそレギュラーを」と語気を強める。「開幕にベストの状態に合わせたい」と意気込む雄平が取り組んでいるのは、力まないフォームづくりだ。「力まないことでバランスの良いスイングができ、打ち損じが減る。去年の春先はそれができたから結果が出ていた」

 甘い球の打ち損じを減らすことを最重要課題に練習に取り組み、ここまでのオープン戦で結果を残している。

 小川監督の期待も大きい。従来の枠にとらわれない攻撃型の二番打者として起用したい考えで、山田との一、二番コンビで走者をため、三番・バレンティンの一打で大量点を奪うシナリオを描く。雄平は「とにかく今年はケガをしないように。開幕から1年間、144試合に出場して、勝利に貢献することが目標」と目を輝かせる。甲子園を沸かせた(宮城・東北高)ドラ1投手が栄光を捨て挑んだ野手転向5年目の春。今年こそ大輪の花を咲かせるつもりだ。
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