開幕ダッシュのカギを握るのはこの男だ。リードオフマンとして期待される西岡剛が、本来のパフォーマンスでチームを上昇気流に乗せる。「大丈夫。開幕にはビシッといくから。点が入るケースを作って盛り上げていきたいですね」

　沖縄キャンプでは右ヒジの関節炎に見舞われてフルに動くことはできなかった。オープン戦終盤にも背中に張りを訴えるなど万全のコンディションではなさそうだ。

　そのオープン戦ではチームの戦績も芳しくなかったが、西岡は「個人成績よりもチームの勝利に貢献したい」と力を振り絞る。春先から好スタートを切るつもりでいるのだ。

　昨シーズンは5月を終えて打率.314の大台を保った。それまでトップバッターとして50試合に出場し、うち20試合にマルチ安打を記録。まさに“春男”を演じたことで、移籍2年目も希望が持てるというわけだ。

　和田監督は「最初にガツンというのが、相手に恐怖心を与えるからね」と昨シーズン以上の長打を見込んでいる。本人は「ホームランバッターじゃない」と言いながらも長打力にもウエートを置く。

　また、今シーズンは二塁の守備力にもこだわりを見せる。ショート鳥谷との鉄壁の二遊間をアピールしながら、ロッテ時代に3度輝いたゴールデングラブ賞を奪回する覚悟だ。

　オープン戦では当初の「一番」ではなく「三番」としてのテストも行われた。西岡の非凡なバットで得点力不足を解消したい。西岡は「僕にとっても、チームにとっても3.28からが勝負になる。そこにMAXを持っていきたい」という言葉を信じたいところだ。