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キラ・カアイフエ内野手・四番に座る助っ人がスタートダッシュ決める

 



「隠れ春男」の匂いがプンプンする。主砲のキラ・カアイフエが3月に入り、オープン戦で一気に状態を上げてきた。9日のヤクルト戦(マツダ広島)、初回に先制の右前打を放つと、5回には2014年“第1号”。新外国人左腕・ナーブソンの内角高め直球を右翼席中段まで運んでみせた。「球種を1つに絞って、しっかりスイングできたよ」。頼れる四番が開幕と同時にロケットスタートを決める可能性は高そうだ。

 昨季は6月に途中入団。7月に一軍昇格すると、66試合で14本塁打を放ち、16年ぶりAクラス入りの立役者となった。春先の実績は未知数だが、スタートダッシュを決める力は昨夏証明済みだ。昨年7月、一軍昇格直後のDeNA3連戦で計10打数5安打、4本塁打、10打点と驚異的な数字を残した。野村監督から「やってくれると思う」と全幅の信頼を寄せられる男は、春の訪れを歓迎するかのように快音を連発している。

 3月11日のオリックス戦(京セラドーム)では平井の内寄り高めカットボールを右翼5階席まで届かせた。推定飛距離130メートルの特大弾には「打つべきボールをとらえられている」と納得顔だ。新井打撃コーチは「バットがしっかり内側から出るから、先でも、根っこでもある程度はボールをとらえられる」と特長を説明する。

 3月15日のロッテ戦(QVCマリン)を終えた時点で、オープン戦の得点圏打率は5打数5安打、6打点、1本塁打、2四球の10割。スロースターターの助っ人も多い中、早くも驚異的な勝負強さだ。「個人的な目標、数字はない。チームの勝利、優勝がゴール」。常に冷静な不動の四番が、「春男」と呼ばれる日は近い。
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