V候補筆頭の超巨大戦力を、新リーダーがまとめる。プロ9年目の松田宣浩は、今季から選手会長に就任した。“初仕事”となった春季キャンプ初日のあいさつでは、「日本一という目標に向かって一つになりましょう」とナインに語りかけた。オフの超大型補強で他球団を圧倒する戦力が整ったが、「個の力があるのは分かっている。みんなが同じ方向を向くことが大事」と、3年ぶりの日本一へ向けて「団結力」が重要になることを確信している。

　オープン戦最終戦となった3月23日の広島戦(マツダ広島)では、試合前のベンチ前で円陣を組んだ。その中央に陣取り、今季のチームスローガンである「俺がやる!」を大きな声で連呼。「シーズンと同じモードで臨める最後の試合で、チームの士気を高めたかった」とその意図を語る。超巨大戦力を武器に、オープン戦ではプロ野球新記録となる13連勝を飾ったが、開幕へ向けて、あらためてチームの気を引き締め直した。

　言葉だけでなくバットでもチームを引っ張る決意だ。オープン戦最終戦では、5回にマツダスタジアムの左翼上段席の看板を直撃する1号ソロ。オープン戦では好調過ぎる強力打線の中にあって目立たなかったが、オープン戦60打席目で待望の一発をかっ飛ばした。「最後に1本出るのと出ないのとでは気持ちの面で違う」。この試合では2回に適時二塁打、7回には三塁打も放ち、シーズンへ向けて最高の準備を整えた。「今季はみんな、俺がやるという高い意識を持っている。この感じを維持して、日本一へと向かっていきたい」

　新選手会長が、チームを頂点まで引っ張っていく。